ネズミの害虫駆除をする方法12選

ネズミは様々な病原菌を持っていたり、害虫を家に連れてくるとても厄介な動物として一般宅や飲食店で全国的に被害を及ぼしています。時には、電気の配線を齧った影響で火災が発生する事件が毎年のように報告されているため一日でも早く駆除してしまうことが賢明です。

この記事では、ネズミの駆除方法を12種類解説しますので被害を止めたいと考えている人に向けてネズミとその連れてくる害虫の駆除方法も含めて紹介します。駆除をする前に参考にして、適切な方法で駆除をしましょう。

ネズミ被害ってどんなもの?

ネズミの被害は様々な被害を及ぼします。代表的な被害例としては糞害・害虫(ノミやダニ)の繁殖、食品被害、健康被害が挙げられます。特にネズミが家に棲みついているかどうかを判断するには部屋の隅にネズミの糞が落ちていないか確認することが早いです。ネズミは基本的には、壁の中や天井裏を移動しますが、やがて食料を求めて室内にも現れるようになります。

ネズミのフンの特徴は種類にも寄りますが基本的には5㎜前後の豆状の糞が特徴的です。ネズミはトイレを我慢することができないため、移動しながら糞や尿をするため決まった場所に糞が溜まりません。一粒の糞が散らばって落ちているならばネズミの被害と考えましょう。

ネズミを駆除する方法12選

1: 毒エサを設置

毒エサの種類を知っておこう

毒エサでのネズミ駆除は最も一般的な効果的な方法の一つです。市販されているネズミの毒エサには即効性遅効性の2種類の毒エサが販売されています。

即効性の毒エサには「リン化亜鉛」という成分が含まれており、致死量の即効性の毒エサを食べたネズミは30分から数時間以内に息絶えます。市販されている毒エサは必ず毒エサの1%未満しかリン化亜鉛を含みませんが強力な毒性があるため0.5~0.6g(ネズミのひと口ほど)接種すれば致死量に達します。(一般的な体重250gのネズミの場合)

遅効性の毒エサは5日から1か月ほどネズミに継続的に毒エサを食べさせて駆除するタイプの毒エサです。即効性の毒エサと比べて、とても簡単にネズミが食べる可能性が高く駆除経験のない人でも簡単に扱えるため便利です。ただし、継続的に食べさせる必要があるため駆除が成功するまでの忍耐が必要です。有効成分の多くは「ワルファリン」や「ブロモディオロン」が代表的な有効成分で、市販の商品のほとんどは0.05%の有効成分が配合されています。一般的なネズミがこれを定期的に食べて合計で0.5gの毒エサを与えればネズミの致死量に達します。(一般的な体重250gのネズミの場合)

近年では、毒エサに対して耐性があるネズミが増えてきているため、毒エサを食べるのに効果を感じない場合は早々に毒エサを与えるのを辞めましょう。

毒エサの設置方法

ネズミの毒エサはネズミの通り道に設置することが一般的です。ネズミの糞が落ちている場所や、部屋の壁際がネズミの通り道になります。キッチンなどで食品被害にあっている場合、被害を受けた食べ物の近くに毒エサを置くと効果的です。

なかなかネズミが毒エサを食べない場合や少量しか食べない場合は、プロも使うコツとしてネズミの好きな食べ物と毒エサを混ぜると食いつきが良くなります。食品被害を受けた食べ物か、パンやバナナを細かくして毒エサとサラダ油を上から少量かければネズミが容易に食いつくようになります。

2: 粘着シートを使用

粘着シートとは

粘着シートとは、ネズミを捕獲・駆除するために用いられる二つ折りの粘着トラップです。ホームセンターでも販売されている商品で、引っかかったネズミをゴキブリホイホイと同じように捕獲する商品です。安価で購入することができ、捕まったネズミに直接触れることなく折りたたんで燃えるゴミとして廃棄できるため便利な商品として広く使われています。

粘着シートの効果的な設置方法

二つ折りの粘着トラップは間違った設置方法ではネズミは捕まりませんので、正しい設置方法や捕獲をするためのコツを紹介します。

~正しいトラップの設置方法~

L字に置く

ネズミはトラップの縁(ふち)を歩いて通ることができるため、壁際にL時に置きましょう。

トラップ中央にエサ

粘着トラップは警戒されやすいため、中央にエサを置いてネズミが引っかかりやすくする。

合わせ技

L字置きとトラップにエサの両方の合わせ技でよりネズミが引っかかりやすくなります。

トンネル

ネズミは狭いところを好んで通るため、粘着トラップを折り曲げて加工して設置する。

粘着トラップ適当に平置きしてはいけません。ネズミは壁際を沿って移動しますのでトラップは壁際に設置するようにしましょう。画像で紹介した正しいトラップの設置方法の合わせ技で複数の手法を取り入れても効果がありますので、どのようにしたらネズミが引っかかりやすいか考えて捕獲しましょう。

3: 忌避剤を設置

忌避剤は、ネズミが嫌う臭いや成分を利用して彼らを追い払ったり、寄せ付けないようにする商品です。忌避剤には「燻煙(くんえん)タイプ」「固形タイプ」の商品があります。燻煙タイプの商品が沢山販売されていますが、固形タイプの方が長期的に効果があるためおすすめです。具体的には、燻煙タイプの商品の残留効果は1日~2日ほどしかないのに対し、固形タイプの忌避剤は2か月~3か月間、効果が持続します。

使用方法については、ネズミの巣穴に設置したり、対策が難しい天井裏でも点検口から奥へ投げ入れて使用します。商品にもよりますが、多くの固形タイプ忌避剤は正露丸のような臭いが特徴でペットを飼っている場合はストレスの原因になりますので注意しましょう。

4: 燻煙剤で追い出し

燻煙剤はネズミを一時的に家の外へ追い払う効果がある商品です。さらに、ネズミの体毛に付着しているノミやダニの害虫を駆除する効果があるためとてもおすすめの駆除方法です。あくまで一時的にネズミを追い出すだけですので、早い場合は翌日にはネズミが戻ってきてしまいます。そのため、燻煙剤の使用目的は、害虫の駆除とネズミがいない間にネズミの巣穴を封鎖してしまう目的で使用する商品です。

使用方法は、燻煙剤を2缶購入して「室内」と「天井裏」の2か所で焚くことが最も効果的です。ネズミは天井裏や壁の中を好んで移動しますので室内で煙を焚いても効果が無いため、自宅のどこかにある点検口から燻煙剤を一緒に炊くようにしてください。

5: 外壁の亀裂を塞ぐ

ネズミは驚くほど小さな穴や亀裂からも侵入できます。外壁の亀裂や換気口、配管周りの隙間など、家の外側を点検し、侵入可能な箇所を見つけ出して塞ぎましょう。侵入口の目安としては、8㎜~25㎜がネズミの通れる隙間の幅です。1円玉の半分ほどの穴が見つかればそれらの箇所を塞ぐようにしましょう。

ネズミの侵入口を塞ぐ方法

亀裂を塞ぐためには、パンチングメタルやコーキング材、金属タワシを使用することが有効です。これらの商品はホームセンターで市販されていますので入手が簡単なこともありとてもおすすめです。
床下通気口のように広い面を塞ぐときはパンチングメタルを活用ください。コーキング材や金属タワシは狭い穴を塞ぐために使います。
ネズミの侵入経路をすべて塞ぐことさえできればネズミの被害はピタッと止まりますので最も直接的で効果のある対策です。封鎖しても止まらない場合は他にも侵入口があることを意味しますので怪しい亀裂や穴を徹底的に対策しましょう。

6: 食料源の除去

ネズミは胃袋が小さく代謝の高い動物ですので頻繁に食べ物を食べる必要がある動物です。食べるものがなくなればネズミは引っ越していきますので食料源をしっかりと対策しましょう。ネズミは乾燥麺・油系の商品・果物・パンを好むためこれらの食品が被害に遭うことが多い傾向にあります。対策方法としては、アルミ製の角缶の中にこれらの食品を入れて保管することが最も効果的です。タッパーのようにプラスチック製品はネズミの強靭な前歯で簡単に穴を開けられてしまうためあまりお勧めしません。できれば金属製の角缶を利用しましょう。

また、三角コーナーの生ごみやゴミ置き場もネズミにとっては餌場となります。ゴミを溜めず、家を清潔に保つこともネズミ駆除の一環ですので一度、家の大掃除をすることも考えましょう。

7: カプサイシンで駆除

カプサイシンとは、唐辛子・ハラペーニョ・ラー油に含まれている刺激成分です。他にも不審者に吹きかける防犯スプレーもカプサイシンが主成分とされるほど刺激が強いことが特徴です。ネズミは特にカプサイシンに敏感な動物で高い忌避効果を発揮します。

特におすすめなのがチリパウダーで、ネズミの通り道や巣穴に撒いておくことでネズミを寄せ付けない効果があります。さらにカプサイシンは自然由来の成分ですので人体や子供に害がないこともおすすめである理由です。注意点として、カプサイシンは自然分解しますので土や雑草の上に散布すると微生物によって2~8日で効果が半減してしまいますので、ブルーシートやラップの上に散布すると効果が長持ちします。

具体的な使用方法としては、スーパーなどでチリパウダーを数個購入して積るほど対策したい箇所に撒いてください。1か月周期で掃除機で掃除して再散布を繰り返してネズミがいなくなるまで対策箇所を変えたり再散布することで駆除しましょう。

8: 木酢液で駆除

木酢液は植物栽培で良く用いられる商品で、ネズミを含むほとんどの哺乳類にとっては不快な臭いとして忌避剤としても利用されます。木酢液の特徴としては、匂いが長持ちする上に屋外でもネズミ対策で使える便利な商品です。

木酢液で駆除する方法は、ペットボトルの1/3ほどを木酢液を入れて、ペットボトルの上部に風が通るように大きい穴を3か所ほど開けて設置するだけです。雨が入らないように工夫をすれば屋外や畑でも使えるためとてもおすすめです。

注意点として、木酢液は強めの酸性ですので直接フローリングに撒いたりすると塗装が剝げたりする危険性があります。必ずボトルなどに入れて使用するようにしてください。

9: 猫を飼う

猫を飼うことで、ネズミは天敵の存在を恐れて離れていくように促す対策方法です。基本的に猫の匂いをネズミが本能的に避けるため、匂いをしっかり漂わせる必要があります。猫の体毛を綺麗に掃除したり、猫砂でトイレの匂いを消してしまうとネズミが猫の匂いに気が付かない可能性がありますのであえて抜け毛を掃除しないことで効果が発揮されます。

猫が直接ネズミを駆除してくれるということは期待しないようにしましょう。近年の飼い猫は実物のネズミを見ることも無ければ狩る方法も知りません。さらみもし、ネズミを捕まえてもネズミの媒介する危険な病気が猫に伝染するため絶対に猫に直接ネズミを駆除させないようにしましょう。
また、猫を天井裏や床下に送り込むのも止めてください。天井裏や壁の間に入ると突き出ている釘が刺さったり、挟まって動けなくなるためトラブルが起こる危険性があります。

10: LEDライトで駆除

ネズミは警戒心が強い生き物ですので過剰に点滅する怪しい光を恐れます。LEDライトの駆除商品には「チューチュードロンパ」という商品を日本で販売している企業があり、効果が立証されています。ただし、効果範囲が10㎝程度ですので開けた場所に設置しても意味がありません。ネズミが回り道をして回避されることもありますので適切な場所で使用する必要があります。

使い方としては、ネズミの通り道や巣穴の前に置くことで最も効果を発揮します。内臓電池が4年間も持続するため長期的な対策におすすめの商品です。

11: ドライアイスで駆除

ドライアイスを駆除で使用する場面は、捕獲したネズミを人道的に息絶えさせるときに使います。市役所が動物を捕獲して処分するときはガスで動物を安楽死させる手段を取ります。そのガスとは二酸化炭素で苦しむことなく息を引き取らせるものです。ドライアイスも同じく二酸化炭素を発生させるものでバケツなどに粘着トラップなどで捕獲したネズミとドライアイスを入れて蓋をすると安らかに処置して安全に廃棄することができるようになります。粘着トラップに捕まったネズミを生きたまま燃えるゴミで出すと逃げ出す可能性がありますのでドライアイスを使うか、餓死することを待つかの2択で対処してから破棄するようにしましょう。

ネズミは鳥獣保護法によって駆除対象の動物とされていますので駆除しても違法行為とはなりませんが、同じ生き物ですので苦しまないようにしてあげましょう。

12: プロに相談する

最終的に、自分での駆除が困難である場合や、ネズミの被害が深刻な場合は、プロの害虫駆除業者に相談することが最善の選択です。ネズミの駆除業者はどのようにすれば駆除できるのか的確に対処することができますので、任せてしまった方が早いです。ただし、駆除費用が発生しますのでまずは見積もりをしてもらったから判断するようにしましょう。
会社によっては保証サービスがあったり、駆除方法が全く違う場合もありますので複数社の見積もりを比較検討してから依頼する企業を決めることが得策です。

これら12のネズミ駆除方法を適切に選択し、組み合わせることで、ネズミの問題を効果的に解決することができます。ネズミ駆除は一度で完了するものではなく、継続的な対策と予防が必要です。ネズミの生態や習性を理解し、環境を整えることで、長期的にネズミを遠ざけることが可能になります。

ネズミはノミやダニなどの害虫を連れてくるため注意が必要!

ネズミには大量のノミやダニが付着しているため、家に持ち込まれた害虫が繁殖する危険性があります。ネズミの被害を放置すればするほど沢山のダニなどの害虫が増えていきやがてはアレルギー反応を引き起こしたりするため注意しましょう。

特に和室の畳にネズミが運び込んだ害虫が伝染することが多く、被害が見つかったら駆除するようにしてください。駆除をする場合は燻煙剤(バルサンなど)を活用することがもっとも効果的で害虫を一掃できます。ネズミの被害が収まらない限り被害は止まりませんので、しっかりと上記で説明されている駆除方法を参考にして対処するようにしましょう。

まとめ

ネズミ駆除は、単一の方法に依存するのではなく、複数のアプローチを組み合わせることが重要です。本記事で紹介した12の方法は、それぞれが特定の状況において有効であり、ネズミの習性や駆除後の環境整備にも着目することが成功への鍵となります。重要なのは、定期的な監視と予防措置を怠らず、ネズミが生活空間に侵入する機会を最小限に抑えることです。また、駆除作業に不安がある場合や、被害が大きい場合は、迷わずプロの害虫駆除業者に相談することも一つの解決策です。ネズミとの戦いは根気が要りますが、正しい知識と方法を用いることで、必ずやり遂げることができます。本記事が、ネズミによる悩みから解放されるための一助となれば幸いです。

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参考資料

この記事の作成者
害獣駆除の専門家 ケーシーさん

害獣駆除センター
害獣駆除の専門家
元田 ケーシー


害獣駆除センターの害獣駆除の研究員です。害獣の生態や効果的な忌避方法を研究しています。記事で執筆している内容は、自社で試験調査した内容や、国内と海外の学術論文を基に情報提供しています。

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