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ネズミの糞や尿にはあらゆる病原菌が含まれています。代表例としてハンタウィルス、サルモネラ菌、チフス菌、レプトスピラ菌などの病原菌が挙げられます。特に、ハンタウィルスがとても危険な病原菌であり致死性があるため、安易にネズミの糞や尿に直接触れるのはとても危険です。このブログでは、ネズミの糞尿を正しく掃除する方法、糞の種類と特徴、ネズミが媒介する病原菌、効果的な駆除方法について詳しく解説します。
ネズミの糞には、毎年新種の菌が発見されるほど危険な病原菌が数多く含まれているため、取り扱いには注意が必要です。安全かつ効果的に掃除するために、まずは準備から始めましょう。以下に必要すべき道具をお伝えします。
準備が整ったらいよいよネズミの糞尿を掃除をしましょう。具体的な手順を解説しますので、ご自身の安全を守るためにもご参考になればと思います。注意事項を理解して掃除をすることで、危険な病気に感染するリスクが低くなります。
ご自身の安全を守ることが最も重要です。マスクの着用を怠ると、病気にかかる危険性が高くなってしまいます。特に数か月放置されたネズミの古い糞は乾燥してわずかな空気の流れで粒子が舞い上がります。これを吸い込んでしまうとあらゆる病気に感染する危険がありますので、必ず両方着用するようにしましょう。
ネズミは先端が尖った形状の糞をすることがあり、薄手のビニール手袋では、掃除をしているときに容易に破れてしまいます。厚手のゴム手袋を着用して掃除するようにしましょう。
もし、汚物に直接手が触れてしまったときはしっかり手洗い・消毒をしましょう。爪の中にまで気を配って手をで洗うようにしてください。
可能な限りアルコールの濃度が70度以上の消毒液を吹きかけてください。まんべんなく行き渡らせるためにも、スプレーで消毒液を吹きかけることが望ましいです。
ただし、アルコール消毒は万能ではなく、一部のウィルスは抗体を持っている病原菌がいます。例として、ネズミが媒介する食中毒の原因菌の一つであるセレウス菌はアルコールに耐性があり低いアルコール濃度に耐えることがわかっています。(参考資料)そのため、少なくともアルコール濃度が70度から95度の消毒液を使用することを推奨しています。
ネズミの糞が少し散らばっている程度であれば、ビニールテープやガムテープでくっ付けて取り除きましょう。これは、菌をできる限り舞い上がらせないようにするのにおすすめです。ホウキや掃除機で掃除することも可能ですが、どうしても風で埃なども舞い上がってしまいます。感染リスクを減らすために、できる限り静かな掃除方法を取るようにしてください。
糞を除去できたら消毒液も使いながら雑巾で綺麗にふき取り掃除を行うようにしてください。
尿のシミの掃除は、クエン酸と重曹を使って行います。ネズミの尿は基本的には弱アルカリ性ですので、弱酸性の洗浄液が有効です。ただし、ネズミが食べた物と体調によって弱酸性になることがありますのでアルカリ性の洗浄液の両方を使って掃除します。そのため、重曹(弱アルカリ性)とクエン酸(弱酸性)の両方を使って確実に尿のシミを消毒・掃除することが正しい掃除方法です。先にクエン酸を吹き付けてから重曹をまぶしてください。クエン酸と重曹が反応し、二酸化炭素が発生して泡立つことで簡単に汚れが落ちます。
クエン酸スプレーの作り方は、水100mlに対して小さじ1のクエン酸を入れてよく混ぜましょう。
燻煙缶(バルサンなど)を焚いてネズミが連れてきた害虫(ノミとダニ)を駆除します。ネズミの体毛には大量にノミやダニが付着しており、ネズミが室内に侵入することで室内にも広がります。特に和室とキッチンで被害が広がることが多く、これらの箇所では燻煙をすることをお勧めしています。また、人気商品のバルサンはネズミに対して直接的な駆除効果はありませんが、煙でネズミを家の外に追い払う効果とノミダニ駆除には十分に効きます。もし、近くのホームセンターにネズミに特化した商品が見つからなかったらノミダニ用バルサンか類似商品を使用してください。
以上の手順に沿って作業を行うことで、ネズミの糞尿を安全かつ効果的に清掃することができます。次に、「ネズミの糞の種類と特徴」について詳しく説明します。
ネズミの糞や尿を掃除しても、ネズミを駆除しなければ、糞尿被害はまた発生します。そうならないために、ネズミの駆除も行いましょう。ネズミの種類がわかれば、必要な対策が判断できますのでまず、主要なネズミの種類ごとの糞の特徴とそれに伴う被害の傾向を説明します。
確認されたネズミの糞で、ある程度ネズミの種類を判別することは可能です。ただし子ネズミの場合は、糞の大きさから別のネズミと誤認してしまうことがあります。確実にネズミの特定ができるとは限りません。そのため、当社”害獣駆除対策センター”の駆除統計により算出した、被害を及ぼすネズミの割合をグラフにまとめましたので、ネズミの品種を特定するためにご活用ください。
害獣駆除対策センター2005年~2023年12月統計
最も被害が多いネズミはクマネズミで53.7%もの物件がクマネズミの被害にあっています。クマネズミは壁登りが得意な動物で、地上階でも上層階でも被害を及ぼします。もし、ネズミ被害に困っている場合はクマネズミの被害をまず疑ってみてください。
ネズミは様々な病原菌を媒介し、人間にとって重大な健康リスクをもたらすことがあります。以下に代表的な病原菌と、それに関連する情報をまとめています。
病原菌 | 危険度 | 致死率と症状 | ソース |
---|---|---|---|
ハンタウィルス | ★★★★★ | 死亡率が60%~30% | 参考 |
ペスト (ペスト菌) | ★★★★★ | 死亡率が50%~40% | 参考 |
レプトスピラ | ★★★★☆ | 死亡率が30%~20% | 参考 |
腸チフス | ★★★★☆ | 死亡率が15% | 参考 |
鼠咬症 | ★★★☆☆ | 死亡率が10%。リンパ節の腫れ。 | 参考 |
大腸菌 | ★★☆☆☆ | 死亡率が5%~1%。激しい腹痛。 | 参考 |
ツツガムシ病 | ★★☆☆☆ | 死亡率が0.48%。高い発熱。 | 参考 |
パラチフス | ★☆☆☆☆ | 死亡率が0.4%。発熱、腹痛。 | 参考 |
この表からネズミの持つ病原菌がとても危険なものであることがわかります。補足として、死亡率は基本的に治療をしなかった場合を基に算出されています。発症後に、医療機関に通えば命の危険が減りますので、体調の異変を感じた時はすぐに病院にかかるようにしましょう。
これらの病原菌についてのさらなる詳細情報は、害獣駆除対策センターのブログをご覧ください。
ネズミを駆除するには、以下の手順で駆除をすることが一般的です。ネズミの通り道を正確に見極めて対策を行えば、ネズミの被害は止めることができますので、あらかじめネズミがどこから入ってきているのかを調べてから駆除を行うと駆除成功率が高まります。
これらの方法は組み合わせることで、ネズミ被害を解決することが可能です。侵入経路のは、不可欠な作業ですので面倒がらずに行いましょう。また、下記にネズミ駆除に役立つ、より詳細な駆除方法を紹介しているブログもありますので是非ご確認ください。
ネズミの糞尿は、サルモネラ菌やハンタウィルスなど、人間にとって危険な病原菌を含んでいる可能性が高く、適切な掃除と駆除方法を知ることは、健康を守る上で非常に重要です。このブログでは、ネズミの糞尿の安全な掃除方法、ネズミの糞の特徴、ネズミが媒介する病原菌、そして効果的なネズミ駆除方法について解説しました。
重要なポイントは以下の通りです:
ネズミ駆除は、一時的な対策ではなく、継続的な管理と予防が必要です。この記事をご活用いただき、ネズミによる被害を最小限に抑え、安全で快適な生活環境を維持するためのご参考になれば幸いです。
害獣駆除対策センターでは、専門知識を持ったスタッフが、ネズミの駆除から予防対策まで、トータルでサポートいたします。問題解決への第一歩として、ぜひお気軽にご相談ください。
参考資料