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イタチは主に西日本を中心に生息している害獣として多くのお宅・農家への被害を及ぼしています。年によって被害量は増減しますが、人口が多い地域では被害が増加傾向にあります。この記事ではイタチ被害に悩む一般住宅や農業関係の人に向けてイタチの駆除方法を紹介します。駆除に必要な知識や被害の多い都道府県の統計から、おすすめ商品も紹介していますので是非参考にしてみてください。
日本に生息しているイタチは主に2種類であり、一つは固有種のニホンイタチ(ホンドイタチ)で日本全国に幅広く生息しています。もう一つは、外来種のチョウセンイタチと呼ばれるニホンイタチより少し体格が大きい品種のイタチです。チョウセンイタチは東日本には生息しておらず九州・中国地方・関西を中心に分布しています。
イタチは鳥獣保護法により守られており、捕獲や殺傷をしてはいけませんが忌避剤で追い払ったり、自宅に侵入できないようにフェンスや侵入経路を塞ぐことは許可されています。もし、捕獲する場合は市役所に届け出ひとつで無料で罠カゴを貸し出していますので一般人でも個人で対処することが可能となっています。
許可なく捕まえたり、危害を加えると法律的罰則を受ける可能性がありますので、傷つけずに駆除を行うことが一般的です。農家や公共施設に対して、市や県が補助金や援助を行っている場合がありますので市役所で受けられる援助が無いか確認しましょう。
イタチを自分で駆除する場合に、取るべき手順を詳細に解説します。これらの手続きと対策を行えばイタチの被害を止めることも可能ですので是非参考に実施してください。基本的には一般住宅被害を想定した駆除手順を紹介しています。農業や工務店を運営されている人にでも参考になる情報を盛り込んでいますので正しい駆除方法で対策をするように心がけましょう。
ほとんどの市役所・自治体では、イタチなどの害獣対策として、無料で罠カゴを貸し出すサービスを提供しています。市役所で「有害鳥獣捕獲許可申請」という申請を行うことでこの罠カゴを借りることができます。申請に必要な書類を記入するだけ申請が簡単に完了しますので是非市役所で担当部署を確認して捕獲許可を貰いましょう。注意事項として、市役所での担当部署が市によって異なるためどこに行けばよいのか分からないことが多く職員に訪ねて確かめることが最も早いです。多くの場合は「環境○○科」や「農政○○科」といった名称の部署がイタチを含む野生動物の対処について相談できる窓口となっています。市役所の受付で確認すればすぐに教えてもらえるためまずは足を運んで聞いてみましょう。
ついでに捕獲機は開け方や閉じ方が初めて見る人には分かり難いため、しっかり職員に罠カゴの使い方について教えてもらいましょう。
罠カゴを借りることができたら、設置をする場所を見極めましょう。イタチの通り道・家の中に入ってくる穴の付近・人目のつかない狭い場所や餌場に設置することが一般的です。イタチの糞が落ちていた場所や、家のどこから音が聞こえるかで場所を決めて侵入経路に仕掛けましょう。
プロの罠設置についてのアドバイスとして、イタチは肉食が傾向が強い雑食動物です。ネズミやヤモリ・鳥などの動物を狙ってあなたの家の付近に出没していることが考えられます。ネズミや鳥(鳩など)がいる場所に置くと捕まりやすいです。他にもイタチは体が細く、床下通気口から屋内に侵入してくる場合がとても多いことが特徴です。床下の通気口付近に罠カゴを葉っぱや木の枝などで入口以外を隠して設置することもイタチを捕まえるコツとして使えます。
イタチを捕まえるために罠の中に”寄せエサ”を入れます。「コンビニ揚げチキン」「キャラメル系のスナック菓子」を入れるとイタチが捕まりやすいです。雨が当たるとエサの匂いが半減してイタチがエサに気付きませんので、濡れない場所に設置しましょう。
イタチはとても攻撃的な性格をしていますので、作業を行う前に室内の安全を確保します。イタチはよく天井裏や床下に隠れてるため追い払ってしまいましょう。主には、燻煙剤・木酢液・ハッカ油を使って追い出し作業を行います。おすすめは、バルサンや類似商品の煙タイプ商品を購入して追い払うことです。これらの燻煙剤は、イタチには直接的な害がある成分は含まれていませんが、イタチを追い払うのには十分な効果があります。
また、イタチは野生動物ですので体毛の中にはノミやダニなどの害虫が沢山寄生していることが多いため、自宅に持ち込まれた害虫を駆除する目的でも燻煙剤は活躍します。燻煙剤の煙は室内で使用しても天井裏にまで届かないため、家のどこかにある天井の点検口を見つけて天井裏に燻煙剤を直接置くように心がけましょう。
追い払い作業うが終わったら、安心せずに侵入経路の対策に移りましょう。
イタチが家のどこから侵入しているのかを見極めて、その箇所を塞ぎます。イタチは床下通気口と屋根から侵入してくることが多く、細くて身軽な体でスルスルと家に入ってきます。侵入口の穴の直径が最小で3㎝もあれば通り抜けられます。そのため、床下通気口の鉄格子や瓦の継ぎ目から侵入してくることがほとんどです。もし屋根から侵入してきている場合は、自分で屋根に登るのは危険を伴います。親族や友人の男手に頼るか、当社のように専門業者に依頼することも可能です。自分で塞ぐ場合は、プロも使用するパンチングメタルと呼ばれる加工に便利な鉄板を使って塞ぐことが有効です。
おすすめの封鎖方法としては、ホームセンターで画像のようなパンチングメタルと業務用のハサミか園芸ハサミを購入してイタチの侵入経路を封鎖することがおすすめです。固定方法はクギで固定するか、コーキング(強力な糊)で取り付けましょう。
イタチの侵入経路を的確に見極めて、すべての侵入経路を塞ぐことができればイタチが家に入ってくることは無くなりますのでしっかり侵入箇所を対策しましょう。
イタチを追い払ってもまだ近くに潜んでいる可能性が高く、戻ってこないようにエサ場や水飲み場を無くしましょう。イタチはゴミ置き場や近隣のネズミ・作物・昆虫(バッタやコオロギなど)を中心に食べるため自宅の敷地内だけでも、イタチを寄せ付けないようにネズミ駆除や害虫駆除を平行して行うことを検討しましょう。他にも、鳩や雀もイタチにとってはエサですので鳩が寄り付かないようにベランダに日光を反射する反射板(CDディスクなど)を取り付けるだけでイタチが来なくなることもあります。
より確実に、イタチを寄せ付けないようにするには、カプサイシンや木酢液を使用することが駆除成功のカギです。カプサイシンとは、チリパウダーや唐辛子に含まれている成分で防犯用スプレーに含まれている成分です。目や鼻に入ると強力な刺激を受けるためイタチが寄せ付けないために効果的です。それでも、駆除が成功しなかった場合はチリパウダーを大量に購入して侵入経路や通り道に大量に振り撒くとイタチが近寄れなくなります。
カプサイシンの弱点は自然由来の成分であるため効果切れが早いです。土壌の上に散布した場合は、土の中の微生物により2日半~8日で効果が半減しますので、雨風に当たらないようにしてビニールやコンクリートの上に撒くようにしましょう。そうすれば、一か月以上は効果が持続します。他にも木酢液をコップに入れて置いておく方法がありますが、効果範囲が2mほどしかありませんので大量設置する方法もあります。
イタチの被害かを調べるために足跡や鳴き声を紹介します。イタチの足跡は、手の形に似ており、5本の指がはっきりとした特徴的な形状をしています。環境によっては、イタチの親指が痕跡として見えずらいことがありますので点多いためこうした足跡を見つけた場合は、イタチが近くにいる可能性が高いです。また、鳴き声には「キ、キキキッ」「キーキー」という音が特徴的であり、夕方から夜間に活動することが多いため、夜にこの音が聞こえたらイタチの存在を疑ってください。
[イタチの鳴き声]
もしこれらの痕跡からイタチではない場合は、害獣別の鳴き声を別記事にまとめていますので参考にしてください。
イタチは様々な被害を及ぼします。イタチの駆除をせずに被害を放置してしまうと掃除が大変になったり家の修繕をする必要も出てくるため早めに対策を行うように心がけましょう。下記項目が主にイタチの及ぼす被害の一覧です。
これらの被害を2年ほど放置し続けた場合、天井に糞や尿が溜まり天井の板が劣化して最終的に糞の重みに耐えられなくなり天井の板が朽ちてしまいます。イタチが室内に落ちてくることもありますのでこのようなことになる前に自分で駆除をするかプロに相談してましょう。
都道府県をクリックして詳細を確認
害獣駆除対策センターの駆除統計に基づきイタチのみの相談件数を表示しています。都道府県をクリックすると詳細が確認できますのでお住まいの都道府県の情報を確認しましょう。このイタチのヒートマップから確認できるように、関東・関西を中心にイタチの被害が集中していることが確認できます。特に東京と兵庫県では相談数がとても多く注意が必要です。
グレーで表示されている都道府県でもイタチがいない訳ではありません。地方で被害にあっている物件や農家は基本的にご自身で対処するか、被害を放置する傾向にあります。被害の放置は、イタチのいたずらがエスカレートしますので早めに対処するようにしましょう。
イタチはインドなど東南アジアと日本を中心に生息する動物です。世界中に分布していない分、危険な感染症を媒介していることが少なく、比較的安全な動物です。ただしそれでも一部は危険な病原菌を媒介していることもありますので紹介します。
病原菌(危険度) | 症状 | 参考資料 |
---|---|---|
狂犬病 危険度:★★★★★ | 死亡率が100%。唾液・引っかき傷から感染。風邪のような症状から始まり錯乱状態に陥る。 | 参考 |
ペスト 危険度:★★★★★ | 死亡率が30%~100%。重度の敗血症や肺炎の病態。早期に治療しなければ致命的。 | 参考 |
SFTS 危険度:★★★★☆ | 死亡率が25%~30%。和名が重症熱性血小板減少症候群で、血小板の減少を引き起こす。 | 参考 |
レプトスピラ症 危険度:★★★★☆ | 死亡率が20%~30%。高熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、眼球結膜充血が出現 | 参考 |
鼠嚙症(そこうしょう) 危険度:★★★☆☆ | 死亡率10%。モニリホルムレンサ桿菌による病気でネズミを経由して唾液などをとおして感染。 | 参考 |
SARS症 危険度:★★☆☆☆ | 死亡率が9.6%。インフルエンザに似た症状で重症化しやすい。 | 参考 |
サルモネラ菌 危険度:★☆☆☆☆ | 死亡率が0.1%~0.2%。いわゆる食中毒を引き起こす病原菌。 | 参考 |
これらの猫引っかき病、SARSは特に注意したい病原菌ですが、イタチに直接接触したり排泄物に触れなければ感染する恐れは薄いです。イタチ被害を放置し続けると感染するリスクは増してしまいます。病気にかかってからでは遅いので早めに駆除などの対策を施すようにしましょう。
イタチの駆除や忌避には、様々な商品がありますが「追い出しに使う煙タイプの燻煙剤」と「カプサイシンを含んでいる商品」「木酢液」をおすすめです。特に設置場所をしっかり理解した上で使用すれば駆除の成功率が高まりますので是非参考にしてください。
木酢液はイタチが嫌う臭いで高い忌避効果があります。スプレーボトルに入れて振り撒くことが広範囲での使用に便利です。スプレーで振りまくと蒸発してしまうため効果は2週間ほど効果が切れますので再散布する必要があります。長期間効果を持続させるには、コップに入れて置いておくと1か月以上は匂いを発生させ続けます。匂いがしなくなったら補充しましょう。コップに入れる場合は、効果範囲が2mほどですので、特定の場所をイタチに通ってほしくないときに便利です。
バルサン系の燻煙剤はイタチを家から煙で追い払うのに活用します。天井裏に繋がる点検口を開けて設置することで最大の効果を発揮します。また、イタチが持ち込んだ害虫を合わせて駆除できるためおすすめしています。イタチは体毛にノミとダニが付着していることが多く、もし室内にも被害が出ている場合はお部屋の中でも焚くようにしましょう。
屋外での使用はカプサイシンを含んでいるいわゆるレッドシートと呼ばれる商品がおすすめです。一定間隔で括り付けて広範囲の対策を行います。ほとんどの商品の効果期間は1年と長めの効果が期待されます。カプサイシンはイタチの忌避にとても高い効果がありますが、自然由来の成分ですので自然環境の中では徐々に分解されてしまいます。土や木に括り付けると微生物による分解が早まりますので空中に吊るすようにして使用することが推奨されています。
また、農業関係の場合はこれらの商品が卸し業者から安く購入できる場合もありますので個人購入か業者さんからの購入のどちらが安価か確認しましょう。
それでもイタチの被害が止まらない人に向けて、イタチの駆除に役立つ豆知識や止まらない被害への対処法を紹介します。イタチは他の害獣(ハクビシンやアライグマ)とは大きく違った生態をしていますので必要知識として押さえておきましょう。
イタチの寿命はとても短命で「1.9年~2.1年」が平均寿命です。ならば、2年被害を我慢すればイタチがいなくなることは残念ながら無いことが多いです。イタチは年に2回の繁殖をすることができ、一度に3~6匹の子供を産みます。世代が変わっても家に入ってくるということは、家のどこかに塞げていない穴・隙間・通気口があることになります。
四季に応じてイタチは季節に応じた行動をします。イタチ被害にあっている物件は特定の月にイタチ被害が出るという物件がほとんどです。そのためイタチの季節に応じた行動周期を紹介します。
特に、夏と秋にイタチは被害を民家に及ぼすことが多く、夏の被害は安全に子供を産む場所として民家に入るようになります。秋の被害は越冬をする場所を探して家に現れます。
イタチの被害を長年放置している物件であれば、イタチが天井裏で喧嘩している騒音を聞いた経験があるのではないでしょうか。夏に喧嘩するように暴れることが最も多く、それはオスのイタチがメスのイタチを求めて広範囲を移動してメスの匂いを嗅ぎつけて、天井裏で戦闘が発生している場合が最も多いです。
イタチは図太く賢い
天井裏で物音が聞こえたからホウキや棒で天井をコンコンと突いたことはありますか?最初の一回目だけはイタチが逃げることはありますが、2回目は効果がまるで無くなります。それほどイタチは学習能力が高く、自分に害が無いことを学習します。駆除をするならば徹底的に対策をしなければ被害は止まりませんのでしっかり侵入口を塞ぐようにしましょう。
イタチの被害を確実に止める方法は1つしかありません。それは、「侵入口をすべて封鎖する」ことです。個人で塞ぎ作業をしたはずなのに失敗したり、大工に頼んで塞いでもらったはずが被害が止まらないということは良くある話です。単純に塞ぐ箇所が足りていない、その一点に限ります。当社の数ある駆除実績からイタチが良く侵入経路に使う場所を一覧として紹介しますのでこれらの場所を重点的に確認して回り、侵入経路をすべて対策しましょう。
専門用語が多いため簡単にまとめると、「通気口」と「外壁や屋根の素材が変わる境目」から侵入してきます。例えば、瓦屋根と外壁の境目やリフォームによって外壁が途中から木材から別の素材に代わっている場所からイタチが侵入している場合がほとんどです。それらの箇所を500円玉を握りしめて硬貨が通るほどの穴が見つかればすべての箇所を対策するようにしましょう。
一部例外として、農家の作物被害は屋外被害ですので塞ぎ作業はできません。その場合の対処も紹介いたします。
ペットボトルの四分の一ほどの分量で木酢液を入れて、ペットボトルの中腹に3センチ以上の穴を2~3か所ほど開けます。できる限り雨が中に溜まらないように工夫して屋外や侵入経路に設置します。2メートル間隔で木酢液入りのペットボトルを置いていきましょう。木酢液はあらゆる害獣と害虫の両方に効果がありとてもおすすめの手法です。
チリパウダーにはカプサイシンが豊富に含まれており、イタチの忌避に抜群の効果があります。山ほど購入して家の外側にばら撒きます。また、土の上に直接ふりかけるとすぐに分解されてしまいますので、コンクリートの上かブルーシートの上に撒くようにしましょう。また、雨で流されてしまうこともありますので屋根のあるところに撒きましょう。
当社、害獣駆除対策センターではイタチを含む様々な駆除実績があります。侵入経路を確実に特定して、2度とイタチが屋内に入ってこられないように対策をすることが可能です。無料で現地の調査からお見積りまで無償で提供していますのでお気軽にご相談ください。害獣駆除は業者によって駆除方法や料金まで様々な業者が存在しますので是非、相見積もりを取っていただいても問題ありませんので比較検討してプロにお任せしましょう。
参考資料