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スズメバチはハチの中でもトップクラスの毒の強さを持ち、毎年死亡事故も発生しています。家の敷地内にスズメバチの巣ができてしまったら、一刻も早く駆除することが大事です。
スズメバチの駆除を正しく行うために、スズメバチの特徴と被害の内容、そして対処法を紹介します。
スズメバチとは、ハチ目スズメバチ科に属する昆虫のうちスズメバチ亜科に属するものの総称です。
日本には16種類のスズメバチが生息していますが、その多くはオレンジと黒の縞模様の姿であり、巣の形状はボール型でマーブル模様をしているものがほとんど。
非常に毒が強いことで知られ、攻撃性も高く、ハチの中でもとりわけ危険です。
刺されると激しい痛みやアナフィラキシーショックを起こし、時には死に至るケースもあります。
基本的に、スズメバチが襲ってくるのは巣の防衛が目的であるため、巣には決して近づかず、ハチを刺激しないことが重要です。
スズメバチは民家にも巣を作ります。作られやすい場所は屋根裏や軒先、垣根や植え込みの中などが主であり、こうした場所には注意が必要です。
春先から巣は作られ始め、夏以後にかけて大きくなります。
4月から6月の間はまだ巣も小さく、比較的楽に除去できるので、上記のような場所を点検しておくと有効かもしれません。
スズメバチに巣を作られたときに最も恐れるべき被害は、言うまでもなく「スズメバチに刺されること」です。
シロアリやネズミのように建物自体を傷つけたり、近くにいるだけでノミやダニを人体に運んできたりというような心配はありませんが、厚生労働省の実施する人口動態調査にて発表された2016年のスズメバチやジガバチ及びミツバチとの接触」による死亡者数は19人でした。[注1] この死亡者数は、毎年20人前後で安定しています。
[注1]北海道医療大学:わが国におけるスズメバチ等による死亡の疫学
(PDF)(http://www.hws-kyokai.or.jp/images/ronbun/all/201205-06.pdf)
スズメバチに刺されたときの症状には、激しい痛みや刺された箇所に生じる赤み、腫れがあります。
症状の現れには個人差があるものの、軽度であれば数時間、遅くとも1週間程度で腫れは治まります。
一度に大量のハチに刺されるとハチ毒そのものが原因で麻痺を起こし、呼吸不全や心停止に至ることもありますが、より可能性が高いのはアナフィラキシーショックによる危険です。
アナフィラキシーショックとは一種のアレルギー反応であり、ハチの毒に抵抗しようとした免疫系が過剰応答し、血圧低下や呼吸困難、意識障害を招くものです。
スズメバチに刺されて死亡する原因の多くはこのアナフィラキシーショックによるものであり、アナフィラキシーショックは既に一度ハチに刺されたことのある人に起こる可能性が高いとされています。
一度経験していると免疫体が短時間で形成され、その分、血管や呼吸器の圧迫も激しくなります。
スズメバチに巣を作られたら一刻も早く駆除する必要があります。その場合、自分で駆除するか、害虫駆除業者に依頼するかという方法が考えられます。
薬局等ではハチ駆除専用の殺虫剤が販売されており、また自治体によっては防護服や駆除機材の貸出を行っているところもあるため、自分で駆除することも不可能ではありません。
自分で駆除する場合は、ハチの活動が停止する夜間に行うことが推奨されます。
巣から2〜3メートル離れた距離で、殺虫剤を噴射し続ければやがてハチは落下してきます。
ハチが反応して巣から飛び出してきてもひるまず噴射し続けることが必要になります。
上記の通り、自力で駆除することは可能ですが必要なアイテムが複数あり大変ですし、特にスズメバチに対しては完全防備したとしても怖いものです。また、屋根裏など気づかない場所にハチが巣を作っている場合もあります。
自力で駆除が難しいならば害虫駆除業者へ依頼しましょう。自宅周辺で頻繁にスズメバチを見かけるという場合も、まずは業者に連絡することをおすすめします。
害虫駆除業者はハチ駆除にも慣れており、現地調査から巣の撤去まで速やかに行ってくれます。
人命にかかわる可能性もあるほど危険なスズメバチ。巣を作られたら早急に駆除する必要があります。
自分で駆除することも不可能ではありませんが、経験のない人には難しく、非常に危険です。
スズメバチ駆除に慣れている害虫駆除業者にお任せすることを推奨します。