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スーパーラットと呼ばれるネズミがいることをご存知でしょうか?
毒エサに対して耐性を持っているため、
致死量を摂取しても死なないネズミのことをいいます。
そのネズミが都会を中心に急増しています。
スーパーラットとは、
ワルファリン(殺鼠剤に使われる薬剤)抵抗性ネズミのことをさします。
ワルファリンとは、
血液の流れをよくする抗凝固剤として用いられる医薬品のことです。
これをネズミに連続して食べさせることで、
血液が固まりにくくなり、血が勢いよく流れ、血管がもろくなり、
内臓や皮下などで血が出やすくなり、出血死させます。
また、
網膜内の内出血により視力が低下するので、
明るいところに出てきて死ぬため、
死んだ後の後片付けがしやすいというメリットもあり、
ワルファリンは殺鼠剤として多く利用されてきました。
ただし殺鼠剤は市販で購入できるものは
毒エサの1%分しか混入させてはいけないと
法律上、決まっており食べれば速攻で駆除に聞く分けではありません。
この徐々にしか効果を出さない毒エサに対して
耐性をもったねずみのことを「スーパーラット」と呼びます。
大半は、クマネズミと言われています。
クマネズミは、非常に臆病で警戒心が強い性格なので、
そもそもなかなか毒エサを食べない上に耐性を持っています。
そのため本当に厄介なネズミになります。
ネズミの遺伝子の系統樹でみますと、ネズミは犬などより人間やサルに近いです。
体重に対する脳の重さがヒトは10.0、サルは2.0、ネズミは0.6です。
ネズミが賢いといわれる最も大きな理由は、学習能力と記憶力にあります。
ネズミは体重の中で、脳の重さが占める割合が人間よりも大きいのが特徴です。
ネズミはねずみ駆除のために設置された罠にかかったとしても
一度かかった罠には二度かかることはないという研究結果もあり、
学習能力がとても高いことが知られています。
さらに警戒心も強いため、危険察知する能力がとても高い動物です。
また、それまで経験したさまざまな出来事に関する記憶を駆使して、
新しい環境に順応・対応することもわかっています。
殺鼠剤抵抗性ネズミ(通称:スーパーラット)には殺鼠剤が効かないネズミが増加しています。
これはどういうことでしょうか?
ネズミは、殺鼠剤抵抗性を獲得すると、抗凝血性殺鼠剤を食べ続けても死なないということです。
殺鼠剤抵抗性はビルだけに生息するクマネズミだけではなく、一般家屋に生息するクマネズミにも獲得しているようです。
抗凝血性殺鼠剤は、凝固反応を阻害することで、血管内凝固を促し、殺する殺虫剤です。
それは、正常な凝固反応を抑制し、凝固因子を減少し、血液凝固能力を低下させることで、静脈内凝固を促し、毒性を発揮します。
この種類の殺虫剤は、屋内外問わず使用することができ、特に屋内害虫駆除に有効です。
ただし、この種類の殺虫剤は、動物にも危険なため、注意が必要です。
事例として、新宿で捕獲した抵抗性クマネズミは平均致死日数で約160日、
最長日数では441日も殺鼠剤を食べ続けたようです。
これは、抵抗性は遺伝し、抵抗性クマネズミの割合は場所によって大きく異なります。
殺鼠剤とはネズミを駆除すための毒餌ですので取り扱いに注意が必要です。
ちなみに殺鼠剤は、様々な種類があります。
一般的に使われる殺鼠剤は、以下のようなものがあります。
有毒物質を含んだ殺鼠剤で、スズや毒物を使用しているものがあります。
有毒殺鼠剤は、効果が高いですが、使用する際には、注意が必要です。
気化剤を含んだ殺鼠剤で、使用すると、気体として噴出されます。
気化剤殺鼠剤は、有毒物質を使用していないため、有毒殺鼠剤よりも安全です。
罠を使用する殺鼠剤で、捕らえたネズミを外に放すことができます。
罠殺鼠剤は、有毒物質を使用していないため、安全ですが、効果は低いものがあります。
スーパーラット=ワルファリン抵抗性ネズミ対策として、
欧米ではワルファリンに代わる第二世代殺鼠剤が使われています。
この第二世代殺鼠剤は、1~2回の摂取で効力を発揮する点がワルファリンと異なっています。
欧米においては、スーパーラット対策の薬剤としてディフェナクム、ブロマジオロン、ブロディ
ファクム、ジフェチアロールなどが知られています。
しかし、これらの一部の薬剤にも抵抗性がクマネズミ、ハツカネズミ、ドブネズミについても報告されています。
ワルファリン以外にも安全性が高くスーパーラットに効果のがる薬剤は多数存在し、中国や韓国でもより安全性の高い薬剤が使用されています。
しかし、日本ではワルファリン以外のこれらの薬剤を使用することはできません。
ネズミの個体や種類によって異なりますが、
ネズミは1回の出産で6~7匹のネズミを出産します。
ネズミを1匹見つけたときは、
親ネズミと他の子ネズミを合計して、約10匹近いネズミがいる可能性が考えられます。
クマネズミは遺伝と繁殖力の高さが起因して、抵抗性を持ったネズミが出たことが考えられます。
クマネズミが相手となればプロへご相談頂くのがもっとも良いかもしれません。
なぜなら、
市販で購入できる対策グッズでは駆除をしても
ネズミの侵入口が残ったままとなっていれば
外からたやすく侵入できる建物、エサが豊富で、
建物の中に居たほうが快適な暮らしができる環境であるなら、
いつまでたってもネズミの被害を抑えることはできないです。
被害にあった場合は自分で危険を犯し無理してやるよりも、
駆除業者に相談することをお願いいたします。