エムポックス(サル痘)の現状とネズミによる今後の危険性

【現状の概要】

2022年5月以降、エムポックスは欧米の男性間で中心に流行し、国際的な懸念事項となりました。世界保健機関(WHO)は2022年7月にこの状況を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」と宣言。幸い、2023年5月には感染者数の減少からPHEIC解除宣言されましたが、症例は依然としてまだまだ報告が続いています。

【エムポックスの特徴と感染状態】

エムポックス(サル痘)-電子顕微鏡画像

エムポックスは、モンキーポックスウイルスによる急性発疹性疾患で、感染症法では4類感染症に分類されます。発熱と発疹が主な症状で、多くは2~4週間で自然回復しますが、小児や免疫不全者では重症化のリスクがあります。

一部では女児の感染報告もありますが、主には男性同士の性的接触を中心に感染してしまい気が付けば世界中で広がったという経緯となります。

2023年9月までに、世界で90,000例以上の症例と157例の死亡例が報告されました。日本国内では、2023年10月時点で208例が確認されており国内感染者の男女比は男性100%です。

【ネズミの関与と今後について】

エムポックスは自然宿主としてアフリカに生息するげっ歯類(ネズミの一種)が疑われています。2003年のアメリカでの事例では、アフリカから輸入されたげっ歯類を介してエムポックスウイルスが人間に感染しました。アメリカに持ち込まれた媒介個体は滅菌や処分されたわけではなく、野生動物の間で広がっている現状です。国民に対してはワクチンを打つことで対抗しているが、ネズミやリスなどが病原菌を媒介している状況は変わっていません。 いずれは日本に感染したネズミの個体が上陸してしまう可能性は十分に考えられ、その際には第2波が国内で引き起こる可能性が高く、感染を心配する場合はワクチンの投与を考えた方がいいでしょう。

【ネズミに対する警鐘】

日本で大流行を引き起こる大きな原因としては東アジア(中国や韓国など)でエムポックスが流行してしまっていることにあります。日本のネズミと東アジアのネズミは同じ病原体を媒介している傾向がみられ、これはネズミでの各国を行き帰が行われていることを意味します。日本にエムポックスを媒介したネズミが国内に侵入してくるのは時間の問題となるためネズミの被害にあっているお宅や飲食店は徹底したネズミの駆除を行う必要があります。

【結論】

日本国内でのエムポックスの拡大を防ぐためには、ネズミの駆除とワクチンの投与が不可欠です。
特に、ネズミを介した感染リスクが高まる地域では、住民や飲食店経営者はネズミ駆除に特に注意を払う必要があります。
また、ワクチンによる予防対策も、感染を予防し、社会全体の健康を守るために重要な手段です。

最終的には、私たち一人ひとりがエムポックスのリスクを理解し、適切な対策を講じることが、この公衆衛生上の脅威に効果的に対処する鍵となります。
ネズミによる感染拡大の防止と、ワクチン投与の普及によって、日本社会はエムポックスの脅威から自らを守ることができるでしょう。

(参考:NIID複数国で報告されているエムポックスについて(第6報))

相談窓口:0120-072-739

地域別駆除実績

関西エリア

関東エリア

東海エリア