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ヨトウムシによる作物被害を防ぎたい農家様、家庭菜園好き必見!ヨトウムシの特徴から駆除方法や予防方法について徹底解説します。
朝見たら育てていた植物の葉っぱが葉脈だけになっていたなんてことはありませんか??
それはもしかしたら「ヨトウムシ」の仕業かもしれません。
家庭菜園を楽しむ多くの人にとって、ヨトウムシは植物の成長を妨げる厄介な害虫です。
夜行性のため見つけづらく、原因が分からないこともしばしば…しかし放置してしまうと植物が枯れてしまい、被害もどんどんと広がってしまいます。
本記事では、ヨトウムシの特徴から駆除方法、予防方法を徹底的に解説し、家庭菜園や小規模農場の作物を守るため方法を紹介します。
ヨトウムシはチョウ目ヤガ科に属する昆虫で、夜行性の蛾の幼虫です。
「ヨトウムシ」「アワヨトウ」「シロイチモジヨトウ」「ハスモンヨトウ」が代表的なヨトウムシ類で、これらをまとめた総称のことを言います。
蛾の幼虫は成虫と同じく夜行性のため、昼間は地中に隠れており、夜になると地中から出現し、植物の葉を食い荒らしてしまいます。
このことから「夜盗虫(ヨトウムシ)」という名前がつけられたといいます。
夜行性かつ日中は土の中にいるため発見するのが非常に難しく、気がついたら葉っぱや実が食べられていることも多く、非常に厄介な害虫です。
幼体期はほぼ透明で茶褐色や薄緑色をしており、生まれたては10mmにも満たない小さな体をしています。
徐々に大きくなり、蛹になる前には30〜50mmに達します。体色は種類によりますが緑色や茶色、黒色など種類によって様々になっています。
ヨトウムシは4〜11月の間に主に活動しています。
冬眠から覚めた成虫は、直後から交尾を始め4月下旬ごろから産卵を始めます。産卵から1週間ほどで孵化し、幼虫は5〜6月に生まれます。
幼虫である期間は1ヶ月ほどであり、その間に食害します。その後、夏の2ヶ月間ほどは夏眠に入り蛹から成虫になります。
夏眠から覚めた成虫は、8月下旬から9月の間に産卵を始めます。幼虫は9〜10月に生まれ、冬眠が始まる11月まで活動を続けます。
産卵の時期は春と秋に2回あるため、ヨトウムシは年に2回発生するという点に注意しましょう。
ヨトウムシの成虫の繁殖の特徴は”植物の葉の裏に卵を植え付ける”ことです。
葉裏に一度に数十個から数百個の卵を産みつけます。一つ一つは0.6mmと非常に小さく、黄緑色をしています。
1箇所に卵を産みつけるので、葉裏を見れば比較的見つけやすいのに反して、集合体恐怖症の方は非常に恐ろしい見た目をしています。
生まれた後は殻を残していきます。もし、卵らしきものを見つけたけど潰れているような様子だった場合、すでに生まれていると考えたほうがいいでしょう。
まだ孵化前の卵があるかもしれないので、殻を見つけたら放置せずに葉っぱを摘み取り、処分するようにしましょう。
名前 | 大きさ | 体の色 |
---|---|---|
ヨトウムシ | 体長40mmほど | 若齢幼虫:淡い緑色 老齢幼虫:緑色・褐色・黒色 |
アワヨトウ | 体長50mmほど | 若齢幼虫:淡い緑色 老齢幼虫:頭部は橙黄色、胴部は灰緑色 |
シロイチモジヨトウ | 体長30mmほど | 若齢幼虫:淡い緑色 老齢幼虫:緑色から黒色まで、個体差が大きい |
ハスモンヨトウ | 体長40mmほど | 若齢幼虫:淡い緑色 老齢幼虫:灰緑色、暗褐色 |
大事に育てていた植物に大きな被害を与えてくるヨトウムシ。どのような被害があるのか、どんな植物が狙われやすいのか解説していきます。
【被害の内容】
被害の初期段階では葉に小さな穴が開くことが多く、見過ごされがちですが、食害が進むと葉脈だけを残して葉全体を食べ尽くしてしまいます。
これにより、見た目が悪くなることに加え、植物の光合成が阻害されてしまい、植物は栄養不足で成長が止まり、最悪の場合枯れてしまいます。
また、特に新芽が好物であるため、発芽直後の作物は特に被害を受けやすく、成長が止まってしまい枯れてしまいます。
人間が美味しいと思う葉っぱが特に好物であり、特にキャベツやレタス、白菜などの葉物野菜は、彼らにとって絶好の食事となりえるのです。
ヨトウムシは葉っぱだけでなく果物や野菜などの青果物などの植物に成った実も食害します。
トマト、なす、ピーマンなど、よく家庭菜園で育てられている植物も被害に遭ってしまいます。
もし葉が食べられていなくても、果実に穴が開いて内部が食べられることもあります。実が食べられていたり、実に穴が空いていたらヨトウムシが潜んでいる恐れがあるので注意しましょう。
大根や人参などの根菜類は、実の部分が土の中に埋まっているため、気がつかないうちに被害に遭ってしまいます。
雑食なヨトウムシは観賞用の花の花弁や葉を食べてしまいます。
花弁や葉っぱに穴が開くと美観を損ねるだけでなく、花全体の健康にも悪影響を与えます。被害が進むと花の成長が阻害され、開花が遅れる、または不完全な花になることもあります。
被害を受ける花は多岐の種類に及びます。
ヨトウムシは野菜や果物はもちろん、花も食べてしまう雑食虫です。
非常に広範囲に食害するため、家庭菜園で育てている植物が狙われてしまう恐れがあります。被害に遭やすい植物は以下です。
卵から孵化してしまうと1回で数十匹から数百匹の幼虫が孵化してしまいます。そのため、卵のうちに駆除するのが最も効果的だと言えます。
特に春や秋になったら植物の葉の裏に卵がないか確認しましょう。また確認は一度ではなく、定期的に葉裏をこまめ確認するように心がけましょう。
もし見つけた場合は、卵を取り除くのではなく葉っぱごと摘み取って、袋に必ず入れましょう。その後、袋の上から卵を潰してから処分することをおすすめします。
スプレー式の大きなメリットとしては即効性があることで、特に家庭菜園、ガーデニングを行っているご家庭にはおすすめです。
ヨトウムシは集団で現れるので、幼虫を見つけたら直接噴射して駆除しましょう。数匹しかいない場合は手で駆除するのもいいでしょう。
駆除の際に注意すべき点は夜行性で昼間は土の中にいるということです。
そのため、ヨトウムシの被害の疑いがあった場合は昼間ではなく、陽が落ちた後の夜に探しにいくようにしましょう。
使用する殺虫剤はヨトウムシに効果があり、植物に悪影響を与えないものを選びましょう。
野菜を育てている場合は、化学成分を含まれていない安全性の高いものを選ぶと良いでしょう。
化学成分が含まれていると野菜に悪影響を与えてしまう可能性が高いので、必ず化学成分の有無を確認しましょう。
花や緑を育てている場合は、発生予防効果と病気防除効果があるものを選ぶといいでしょう。
発生予防効果があると一度散布すればある程度の期間効果を発揮するので、散布する回数を大幅に減らすことができます。
また食害されると病気にかかってしまう恐れもあります。病気防除効果があると安心してガーデニングをすることができるでしょう。
育てている植物の種類に合うスプレー式殺虫剤を探して、使用しましょう。
特に野菜に化学成分を含んだ殺虫スプレーを使用すると、野菜を食べるときに体調不良になる可能性もありますので慎重に殺虫スプレーを選びましょう。
おすすめの殺虫剤
虫と病気に効く予防&退治スプレー
虫と病気に効く予防&退治スプレーはスプレーするだけで、ヨトウムシはもちろん様々な害虫の予防や退治することができます。花や野菜、庭木などに幅広く使用でき、いろいろな病害菌や虫から植物を守ります。室内園芸の虫対策にも使用できます。浸透移行性があるため、効き目が葉から吸収され全体に広がります。
粒剤の殺虫剤は土に撒くだけで、長く殺虫効果が続く浸透移行性殺虫剤です。
この殺虫剤は土に撒くと殺虫剤の成分が植物に行き渡り、吸汁性害虫(アブラムシ等)や食害性害虫(ヨトウムシ、アオムシ等)を退治してくれる効果があります。
特に種まきの時期に使用することで効果が高まるので、春の種まきの時期に備えて用意しておくといいでしょう。
おすすめなのがオルトランを使用している浸透移行性剤です。アブラムシ以外の幅広い害虫にも効果的なのに加え、効果も長続きします。
また植物に悪影響がほとんどなく、安全に駆除することができます。
おすすめの粒剤殺虫剤
家庭園芸用GFオルトラン粒剤
GFオルトラン粒剤は撒くことで葉や茎から吸収されて植物体内にゆきわたり、広範囲の害虫に対して効果が持続する優れた浸透移行性殺虫剤です。 葉っぱや果実を食害するヨトウムシには効果覿面で、他の葉を食い荒らす害虫(アオムシ、ハマキムシ等)やアブラムシにも優れた防除効果を発揮します。 土の中にいるヨトウムシの退治はもちろんのこと、薬剤散布後に飛来したヨトウムシの成虫にも優れた効果を現するため、防除効果にも期待できます。
これらのトラップはヨトウムシ被害の疑いがあったり、数匹しかヨトウムシが確認できていない場合に使用しましょう。
米ぬかはヨトウムシの好物であり引き寄せることができるので、米ぬかを使用したトラップを被害があった場所に設置して駆除しましょう。
この方法は植木鉢で育てている場合など生育面積が狭い場合は難しい方法になっているので注意しましょう。
用意するもの
設置方法
焼酎トラップは飛来したヨトウムシの成虫を産卵させずに生け捕りにします。4〜5月と8〜9月に成虫がやってきますので、その時までに仕掛けておくといいでしょう。
用意するもの(トラップ1個分)
設置方法
ヨトウムシは葉っぱの裏に卵を産みます。そのため定期的に葉っぱを確認することで卵が植え付けていないか確認しましょう。
孵化する前に駆除するのが一番の予防になります。
もし見つけた場合は、卵を取り除くのではなく葉っぱごと摘み取って、袋に必ず入れましょう。その後、袋の上から卵を潰してから処分することをおすすめします。
草木灰(もくそうばい)は草木を燃やしてできた灰のことを言います。撒くことで土壌をアルカリ性にし、ヨトウムシの発生を防ぐ効果があります。
自分で作る方法もありますが草木を燃やす必要があり、手間がかかるのと、火事の恐れがあるのでホームセンターなどで市販の木草灰を買うのがおすすめです。
肥料同士の相性や、撒き過ぎてしまうと悪影響がありますので商品の注意事項をよく読んで従ってください。
おすすめの木草灰
アミノール化学研究所 草木灰 500g
アミノール化学研究所の草木灰は国産天然です。撒くことでヨトウムシの発生を抑制できることはもちろん、植物が健康元気に育てることができます。使用上の注意を読んで適正量を使用しましょう。
防蛾灯は作物を荒らす夜蛾(ヤガ)対策として広く使用されています。
防餓灯はLEDの光を使用しており、これを設置しておくことでヨトウムシが昼間だと勘違いして、幼虫は動かなくなり、成虫は近寄ってこなくなります。
設置しておくだけで長い間効果を発揮してくれて、労力や時間を無駄にしないのでおすすめです。
ヨトウムシの成虫が葉に卵を産ませないようにすれば被害を予防できます。成虫を植物に近づけないために物理的に植物を守る予防方法がおすすめです。物理的に予防する方法は以下の通りです。
防虫ネットを設置して物理的にヨトウムシの被害を防ぎましょう。
使用する防虫ネットは1mmの細かい目のものを用意しましょう。作物全体にかけ、虫が入らないように隙間を完全になくなるように固定しましょう。ネットは定期的にチェックし、破損がないか確認することも大切です。
寒冷紗を使うことでも物理的に予防することができます。
寒冷紗は、防虫効果だけでなく遮光効果も持つため、日差しが強い時期に使用すると一石二鳥です。
菜園全体を寒冷紗で隙間なく覆うことで、ヨトウムシだけでなく過度な日差しから作物を守ることができます。
本記事では植物を食い荒らす「ヨトウムシ」について解説してきました。
ヨトウムシの幼虫は家庭菜園を楽しむ多くの人にとって、植物の成長を妨げる厄介な害虫です。
本記事で紹介した駆除方法や予防方法を参考にして、、ヨトウムシの被害から大切な植物を守りましょう。