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コウモリが媒介する病原体には5種類あるが、すべて日本の住宅内アブラコウモリから確認されているわけではなく、種類・地域・感染条件が異なる
この記事の目次
コウモリは、ウイルスや真菌など、さまざまな病原体と関係する動物です。
コウモリと関係する病原体として知られているのが、SARS関連コロナウイルス、ヒストプラスマ属の真菌、ニパウイルス、狂犬病ウイルス、その他のリッサウイルスです。
ただし、これらがすべて日本の住宅へ侵入するアブラコウモリから確認されているわけではありません。病原体によって関係するコウモリの種類や発生地域、ヒトへ感染するまでの条件が異なります。
本記事では、コウモリと関係する代表的な病原体について、それぞれの特徴と日本での捉え方をわかりやすく解説します。
※弊社から見積りに関してご連絡させていただく場合がございます。
コウモリと関係する病原体には、ウイルスだけでなく真菌も含まれます。
ここでは、現在の記事で扱っている5つの病原体について、コウモリとの関係を整理します。

ARSは、SARSコロナウイルスによって起こる呼吸器感染症です。
研究では、中国に生息するキクガシラコウモリ類から、SARSコロナウイルスに近い遺伝的特徴を持つ「SARS様コロナウイルス」が確認されています。
ただし、コウモリから見つかるSARS様コロナウイルスと、ヒトの間で流行したSARSコロナウイルスを同一のものとして扱うことはできません。
また、日本の住宅へ侵入するアブラコウモリのフンに触れることで、SARSへ感染するという根拠も確認されていません。
海外のキクガシラコウモリ類から近縁のウイルスが見つかっていることと、日本の住宅にいるコウモリからSARSへ感染することは、分けて考える必要があります。

ヒストプラスマ症は、ヒストプラスマ属の真菌によって起こる感染症です。
原因となる真菌は、コウモリや鳥のフンそのものだけに存在するのではなく、フンなどで汚染された土壌や環境中で増殖します。
流行地域では、洞窟探検や土木工事などによって汚染された土壌が舞い上がり、病原体を含む細かな粒子を吸い込むことで感染した事例が報告されています。
現時点の日本では、ヒストプラスマ症は主に海外の流行地域からの輸入例と考えられており、報告は年間数例です。
そのため、日本の住宅でコウモリのフンを少量見つけただけで、ヒストプラスマ症の感染リスクが高いと判断する必要はありません。
日本国内でのリスクやフンを掃除する際の注意点については、別記事「コウモリのフンは感染症の危険?症状と日本のリスクを解説」で詳しく紹介しています。

ニパウイルスは、主に南アジアや東南アジアで発生が報告されているウイルスです。
WHOは、オオコウモリ科の果実を食べるコウモリを自然宿主としています。
ヒトへの感染は、感染した動物との接触、コウモリの唾液や尿などで汚染された果物や飲料の摂取、感染者との濃厚接触などによって起きています。
マレーシアで発生した事例では、コウモリから豚へ感染が広がり、その豚と接触した人へ感染したと考えられています。一方、バングラデシュなどでは、コウモリによって汚染されたナツメヤシの樹液が感染源となった事例もあります。

狂犬病は、狂犬病ウイルスによって起こる感染症です。
狂犬病ウイルスはリッサウイルス属に分類され、すべての哺乳類へ感染する可能性があります。海外では犬が主な感染源ですが、地域によってはコウモリから人へ感染した事例も報告されています。
一般的な感染経路は、感染した動物に噛まれたり、引っかかれたりした際に、唾液に含まれるウイルスが傷口へ入ることです。
コウモリのフンから狂犬病へ感染することを、住宅で一般的に注意すべき感染経路として扱う必要はありません。
現在、日本では犬などを含めて狂犬病の発生は確認されていません。日本国内で最後に確認されたのは、人では1956年、動物では1957年です。
海外ではコウモリが感染源となる地域もありますが、その状況を日本の住宅にいるコウモリへそのまま当てはめることはできません。

リッサウイルスは、狂犬病ウイルスを含むウイルスのグループです。
狂犬病ウイルスのほかにも、ヨーロッパコウモリリッサウイルスやオーストラリアコウモリリッサウイルスなど、コウモリと関係する複数の種類が確認されています。
ヒトへ感染した場合は、狂犬病に似た神経症状を起こすことがあります。主な感染経路は、感染したコウモリによる咬傷や引っかき傷、唾液と傷口の接触です。
ただし、これらのリッサウイルスは、それぞれ確認されている地域や宿主となるコウモリの種類が異なります。
海外のコウモリからリッサウイルスが確認されていることを理由に、日本の住宅へ侵入するアブラコウモリも同じウイルスを保有していると断定することはできません。
コウモリと関係する感染症の多くは、海外の特定地域や、特定の種類のコウモリとの関係を背景に報告されています。
例えば、ニパウイルスの自然宿主は主にオオコウモリ類です。SARS関連コロナウイルスについても、主に海外のキクガシラコウモリ類を対象とした研究で確認されています。
そのため、海外でコウモリと関係する感染症が報告されていることを理由に、日本の住宅へ侵入するアブラコウモリも同じ病原体を高い確率で保有しているとは判断できません。
病原体の名称だけで危険性を判断せず、どの地域の、どの種類のコウモリと関係しているのかを分けて考えることが重要です。
コウモリと関係する病原体には、SARS関連コロナウイルス、ヒストプラスマ属の真菌、ニパウイルス、狂犬病ウイルス、その他のリッサウイルスなどがあります。
ただし、これらは同じ地域や同じ種類のコウモリから確認されているわけではありません。
ニパウイルスは主に海外のオオコウモリ類、SARS関連コロナウイルスはキクガシラコウモリ類との関係が研究されています。狂犬病やその他のリッサウイルスも、発生状況は国や地域によって異なります。
一方、現在の日本では狂犬病の国内発生は確認されておらず、ヒストプラスマ症も主に海外流行地域からの輸入例です。
「コウモリが関係している」という情報だけで、日本の住宅にいるアブラコウモリも同じ危険性を持つと判断しないことが大切です。

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結論:コウモリと関係する病原体には、SARS関連コロナウイルス、ヒストプラスマ属の真菌、ニパウイルス、狂犬病ウイルス、その他のリッサウイルスの5種類が代表的です。
ただし、これらがすべて同じ地域や同じ種類のコウモリから確認されているわけではありません。病原体によって関係するコウモリの種類や発生地域、ヒトへ感染するまでの条件が異なります。日本の住宅へ侵入するアブラコウモリから、これらすべての病原体が確認されているわけではありません。
結論:日本の住宅へ侵入するアブラコウモリのフンに触れることで、SARSへ感染するという根拠は確認されていません。
研究では、中国に生息するキクガシラコウモリ類から、SARSコロナウイルスに近い遺伝的特徴を持つウイルスが確認されています。しかし、海外のキクガシラコウモリ類から近縁のウイルスが見つかっていることと、日本の住宅にいるアブラコウモリからSARSへ感染することは、分けて考える必要があります。
結論:現時点の日本では、ヒストプラスマ症は主に海外の流行地域からの輸入例と考えられており、報告は年間数例です。
ヒストプラスマ症の原因となる真菌は、コウモリや鳥のフンで汚染された土壌や環境中で増殖します。流行地域では、洞窟探検や土木工事などによって汚染された土壌が舞い上がり、病原体を含む細かな粒子を吸い込むことで感染した事例が報告されています。日本の住宅でコウモリのフンを少量見つけただけで、ヒストプラスマ症の感染リスクが高いと判断する必要はありません。
結論:現在、日本では犬などを含めて狂犬病の発生は確認されておらず、人では1956年、動物では1957年以降の国内発生報告はありません。
狂犬病は海外では犬が主な感染源ですが、地域によってはコウモリから人へ感染した事例も報告されています。一般的な感染経路は、感染した動物に噛まれたり引っかかれたりした際に、唾液に含まれるウイルスが傷口へ入ることです。海外ではコウモリが感染源となる地域もありますが、その状況を日本の住宅にいるコウモリへそのまま当てはめることはできません。
結論:ニパウイルスは主に南アジアや東南アジアで発生が報告されており、自然宿主は主にオオコウモリ科の果実を食べるコウモリです。
日本の住宅へ侵入するアブラコウモリとは異なる種類のコウモリが自然宿主となっています。ヒトへの感染は、感染した動物との接触、コウモリの唾液や尿などで汚染された果物や飲料の摂取、感染者との濃厚接触などによって起きています。ニパウイルスの自然宿主であるオオコウモリ類と、日本の住宅に侵入するアブラコウモリは異なる種類です。
結論:リッサウイルスは、狂犬病ウイルスを含むウイルスのグループで、コウモリと関係する複数の種類が確認されていますが、確認されている地域や宿主となるコウモリの種類がそれぞれ異なります。
ヨーロッパコウモリリッサウイルスやオーストラリアコウモリリッサウイルスなど、複数の種類があります。ヒトへ感染した場合は、狂犬病に似た神経症状を起こすことがあり、主な感染経路は感染したコウモリによる咬傷や引っかき傷、唾液と傷口の接触です。海外のコウモリからリッサウイルスが確認されていることを理由に、日本の住宅へ侵入するアブラコウモリも同じウイルスを保有していると断定することはできません。
結論:コウモリのフンから感染症にかかるリスクは、病原体の種類、コウモリの種類、地域、フンの状態や量、接触の状況によって異なります。
狂犬病やリッサウイルスは、感染動物による咬傷や引っかき傷、唾液と傷口の接触が主な感染経路であり、コウモリのフンから狂犬病へ感染することを住宅で一般的に注意すべき感染経路として扱う必要はありません。ヒストプラスマ症は汚染された土壌の粒子を吸い込むことで感染するため、日本の住宅でコウモリのフンを少量見つけただけでは、直ちに感染症リスクが高いとは判断できません。
結論:コウモリと関係する感染症の多くは、海外の特定地域や、特定の種類のコウモリとの関係を背景に報告されており、日本の住宅へ侵入するアブラコウモリにそのまま当てはめることはできません。
たとえば、ニパウイルスの自然宿主は主にオオコウモリ類で、SARS関連コロナウイルスは主に海外のキクガシラコウモリ類を対象とした研究で確認されています。日本では狂犬病の国内発生は確認されておらず、ヒストプラスマ症も主に海外流行地域からの輸入例です。病原体の名称だけで危険性を判断せず、どの地域の、どの種類のコウモリと関係しているのかを分けて考えることが重要です。
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