コウモリ被害はなぜ増えた?相談件数は10年で2.2倍!カラス減少との関係

コウモリ 増加 都市
AI要約

コウモリ相談件数は10年間で約2.2倍に増加し、現在も年間約2,000件の高水準が続いている

AIによる【要約】

被害急増の実態【要約】

  • 日本ペストコントロール協会の調査では2015年度925件から2024年度2,060件へ約2.2倍増加
  • 2020年度には2,240件のピークを記録し、その後も年間1,900〜2,100件の高水準を維持
  • 害獣駆除対策センターには2025年だけで346件の相談が寄せられている

被害が集中する時期【要約】

  • 害獣駆除対策センターのデータでは6〜9月に年間相談の約71.7%が集中
  • 最多は7月の67件、続いて8月66件、9月62件となり夏に被害が急増
  • 冬は月10件前後に対し、夏は月60件超と約6倍の相談数の差がある

アブラコウモリの特徴【要約】

  • イエコウモリとも呼ばれ、山や洞窟から離れた市街地の建物をねぐらにする習性がある
  • 屋根裏、外壁の隙間、換気口周辺、戸袋、シャッターボックスなど狭い空間を好む
  • 同じねぐらを繰り返し利用するため、気づかないうちにフンが大量に堆積する

都市環境との関係【要約】

  • 河川、水路、公園、街路樹など都市部にも餌となる小型昆虫が生息する環境が残っている
  • 夜間照明に集まる虫を狙い、街灯や駐車場周辺を飛ぶ姿が見られることがある
  • 河川環境の改善で水生昆虫が増えたことが相談増加に関係している可能性がある

カラス減少との関連性【要約】

  • 東京都の調査では2001年度から2025年度にかけてカラス生息数が約80%減少
  • 熊本県ではカラスがコウモリを捕食した事例が報告されている
  • カラスが減ったことでコウモリが捕食される機会が少なくなった可能性がある

健康被害のリスク【要約】

  • 堆積したフンを乾いたまま掃除すると粉じんとともに病原性のある真菌を吸い込むおそれがある
  • 素手で触れたり、ほうきや掃除機で巻き上げたりする行為は感染症につながる危険性がある
  • 屋根裏へ入って初めて広範囲にフンが堆積していることが分かるケースもある

棲みつきの兆候【要約】

  • 軒下や玄関に黒く細長いフンが繰り返し落ちている
  • 夕方になると屋根や外壁の決まった場所から飛び出してくる
  • 天井裏や壁の内部から「カサカサ」「キーキー」という音が聞こえる
  • 換気口、通気口、戸袋、シャッターボックス周辺を出入りしている

対処時の注意点【要約】

  • 出入り口を確認せずに隙間を塞ぐとコウモリを建物内に閉じ込めるおそれがある
  • 許可のない捕獲・殺傷は法律で禁止されているため無理に触らないこと
  • 追い出し、清掃、再侵入対策を組み合わせた適切な対処が必要
こんな人におすすめ
コウモリ被害が近年なぜ増えているのか理由を知りたい方
夏場にコウモリの姿やフンを見かけて不安を感じている方
自宅にコウモリが棲みついていないかチェック方法を知りたい方

はじめに

「夕方になると家の周りを飛び回る」
「軒下に黒いフンが落ちている」
「天井裏から小さな鳴き声がする」

こうしたコウモリに関する相談は、全国的に高い水準が続いています。

公益社団法人日本ペストコントロール協会の集計では、コウモリの相談件数は2015年度の925件から2024年度の2,060件へ増えました。害獣駆除対策センターにも、2025年だけで346件の相談が寄せられています。

なぜ、コウモリに関する困りごとが目立つようになったのでしょうか。

この記事では、全国の相談件数と当社の月別データをもとに、相談増加の背景を解説します。
コウモリを捕食することがあるカラスの減少との関係についても、都市環境の変化という視点から見ていきましょう。

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    コウモリの相談件数は10年間で約2.2倍に増加

    日本ペストコントロール協会が全国の都道府県協会から集計したコウモリの相談件数は、次のように推移しています。

    H27年度とR6年度を比べると、相談件数は1,135件増え、約2.2倍になりました。特にR2年度には2,240件まで伸びています。

    その後は年間約1,900~2,100件で推移しており、長期的に増加したあとも、高い相談件数が続いている状況です。

    毎年約2,000件の相談が寄せられていることから、住宅への侵入やフン、鳴き声などに悩む人が少なくないことが分かります。

    害獣駆除対策センターでは6~9月に相談の約7割が集中

    害獣駆除対策センターに寄せられた2025年のコウモリ相談は、年間346件でした。

    月別の相談件数は、以下のとおりです。

    最も多かったのは7月の67件です。続いて8月が66件、9月が62件となりました。

    6~9月の相談を合計すると248件に達し、年間相談の約71.7%を占めます。冬は月10件前後だったのに対し、夏は月60件を超えており、時期による差がはっきり表れました。

    当社の相談データからも、コウモリに関する困りごとは6~9月に集中しやすいことが分かります。

    夏にフンが増える理由や季節ごとの活動については、関連記事で詳しく解説しています。

    ※日本ペストコントロール協会の統計と当社の集計では、対象地域や集計期間、相談窓口が異なります。件数を直接比べるのではなく、それぞれの傾向を確認するデータとしてご覧ください。

    住宅で大量のフンが見つかることもある

    実際の調査では、屋根裏へ入って初めて、広い範囲にフンが堆積していることが分かるケースもあります。コウモリは同じねぐらを繰り返し利用することがあるため、気づかないまま時間が経つと、見えない場所でフンが増えているかもしれません。

    次の写真は、当社が調査した住宅の被害写真です。

    フンの被害写真

    ※フンが写ります。

    換気口のコウモリの糞
    屋根裏のコウモリの糞
    木材の上のコウモリの糞
    室外機と外壁の間のコウモリの糞

    このような場合、目に見えるフンを取り除くだけでは十分とはいえません。コウモリが利用している範囲や侵入口を確認し、清掃と再侵入対策を組み合わせる必要があります。

    また、堆積したフンを乾いたまま掃除すると、粉じんとともに病原性のある真菌などを吸い込み、感染症につながるおそれがあります。素手で触れたり、ほうきや掃除機で巻き上げたりするのはやめましょう。

    フンの特徴や掃除するときの注意点、感染症については、関連記事をご確認ください。

    実際のコウモリ被害については、以下の動画でも紹介しています。住宅でどのような問題が起こるのか、現場のイメージをつかむ際にご覧ください。

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      コウモリ相談が増えている背景

      コウモリの相談が高い水準で続いている背景には、住宅や都市環境との関係があると考えられます。

      アブラコウモリは人の建物を利用する

      住宅被害の原因になりやすいのは、アブラコウモリと呼ばれる種類です。「イエコウモリ」という別名があるように、人の建物にある狭い空間をねぐらとして利用します。

      山や洞窟から離れた市街地でも、建物に利用できる場所があれば生活できるのが特徴です。

      代表的な侵入・滞在場所には、次のような箇所があります。

      代表的な侵入・潜伏場所

      • 屋根や外壁の隙間
      • 瓦や屋根材の下
      • 換気口や通気口の周辺
      • 戸袋やシャッターボックス
      • 軒下や壁の内部
      • 屋根裏へつながる接合部分

      こうした場所は外から確認しにくく、住民がフンや鳴き声に気づくまで、存在を見落としやすい傾向があります。

      次の写真は、当社が調査した住宅の侵入口の写真です。

      コウモリの侵入口

      配管やダクトの貫通部
      軒天や外壁の継ぎ目
      板金や水切りのわずかな浮き
      換気設備

      コウモリが棲みつきやすい住宅の特徴については、別の記事で詳しくまとめています。

      都市部にも餌場がある

      アブラコウモリは、飛んでいる小型昆虫を捕食します。

      都市部や住宅地の周辺にも、河川、水路、公園、街路樹、緑地などがあり、昆虫が生息する環境は残っています。夜間の照明に集まる虫を狙い、街灯や駐車場の周辺を飛ぶ姿が見られることもあるでしょう。

      研究では、河川環境の改善によって水生昆虫が増えたことや、住宅構造の変化などが、コウモリ相談の増加に関係している可能性も指摘されています。

      ねぐらとして利用できる建物と、餌を得られる環境が近くにあることは、コウモリが都市部で暮らすうえで有利な条件になると考えられます。

      被害や相談先が知られるようになった

      以前は正体が分からなかったフンや鳴き声も、現在ではインターネットで特徴を調べられます。

      「軒下に黒いフンがある」「夕方に何匹も飛び出す」と検索し、コウモリ被害だと気づく人も増えているのではないでしょうか。

      自治体や専門業者の相談窓口が見つけやすくなったことも、相談件数に表れている可能性があります。

      カラスの減少もコウモリに関係している?

      コウモリの天敵には、フクロウやタカなどの鳥類が挙げられます。カラスについても、コウモリを捕食した事例が国内で報告されています。

      熊本県天草市では、ハシボソガラスがヒナコウモリの繁殖場所へ入り、成獣や幼獣を捕食したことが確認されました。カラスも、コウモリを食べることがある鳥の一つです。

      一方、東京都が都内約40か所で行っている調査では、カラスの合計生息数が2001年度から2025年度にかけて約80%減少しました。

      アブラコウモリとカラスは、次のような都市環境を利用します。

      アブラコウモリとカラスが利用する都市環境

      • 住宅地や建物が集まる地域
      • 公園や街路樹の周辺
      • 河川や水路の周辺
      • 建物と緑地が混在する都市近郊

      同じ都市部を利用するカラスが減ったことで、コウモリが捕食される機会も少なくなったのではないか、という見方もあります。

      カラスは主に昼間、コウモリは夕方から夜間に活動しますが、カラスがねぐらや繁殖場所を見つければ、そこで捕食することがあります。

      住宅環境や餌場の変化だけでなく、カラスをはじめとする捕食者を取り巻く環境の変化も、コウモリの相談増加を考える視点の一つです。

      東京都でカラスが減った理由については、関連記事で詳しく解説しています。

      コウモリが建物をねぐらにしていないかチェック

      コウモリを一度見かけただけでは、住宅に棲みついているとは限りません。移動中の個体が近くを通ったり、開いていた窓から偶然室内へ迷い込んだりすることもあります。

      一方、フンや出入りが繰り返されている場合は、屋根裏や壁の内部などをねぐらとして利用しているかもしれません。次の項目を確認してみましょう。

      コウモリの棲みつきチェックリスト

      コウモリの棲みつきチェックリスト

      当てはまる項目を選び、「診断する」を押してください。

      注意: 出入り口を確認せずに隙間を塞ぐと、コウモリを建物内に閉じ込めるおそれがあります。許可のない捕獲・殺傷もできないため、無理に触らず適切に対処してください。

      詳しい追い出し方法や侵入口対策は、関連記事で解説しています。

      まとめ

      コウモリに関する相談は、長期的に増加しています。害獣駆除対策センターでも、2025年に寄せられた相談の約7割が6~9月に集中しました。

      コウモリは建物のわずかな隙間をねぐらにするため、姿を見かけなくても、屋根裏や壁の内部でフンが増えている可能性があります。

      次のような異変がある場合は注意してください。

      • 同じ場所にフンが繰り返し落ちている
      • 夕方になると建物からコウモリが飛び出す
      • 天井裏や壁の中から鳴き声や物音がする
      • 換気口やシャッターボックスへの出入りが続いている
      • 屋根裏から強いにおいがする

      放置すると、フン尿による悪臭や汚れが広がるおそれがあります。出入り口を誤って塞ぐと、建物内に閉じ込めてしまうため注意が必要です。

      害獣駆除対策センターでは、追い出しから清掃、再侵入対策まで対応しています。気になる痕跡がある場合は、お早めにご相談ください。

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        コウモリ駆除でよくある質問(FAQ)

        Q コウモリの相談が増えている統計データの出典はどこですか?

        結論:公益社団法人日本ペストコントロール協会が全国の都道府県協会から集計した公式データです。

        日本ペストコントロール協会は、害虫・害獣防除に関する全国規模の統計を毎年発表しており、信頼性の高いデータソースとして業界で認知されています。

        • 全国47都道府県の協会から報告された相談件数を集計している
        • 2015年度から2024年度までの10年間のデータを追跡している
        • コウモリだけでなく、ネズミやシロアリなど他の害虫・害獣の相談数も公表している

        同協会のウェブサイトでは年次報告書が公開されており、過去のデータとの比較も可能です。

        Q コウモリが建物に侵入できる隙間の大きさはどれくらいですか?

        結論:アブラコウモリは1〜2cm程度の隙間があれば侵入できます。

        アブラコウモリは体長4〜6cm、体重5〜11g程度の小型コウモリで、体を平らにして狭い隙間を通り抜けることができます。

        • 換気口の網目が破れた部分や通気口の周辺
        • 外壁と屋根の接合部分のわずかな隙間
        • 経年劣化で浮いた瓦や屋根材の下
        • エアコン配管の貫通部や戸袋の隙間

        目視では気づきにくい小さな隙間でも侵入経路になるため、専門家による詳細な調査が重要です。

        Q コウモリの繁殖期はいつですか?

        結論:アブラコウモリの繁殖期は6〜8月で、この時期に幼獣が生まれます。

        繁殖期には出産と授乳のためにねぐらに留まる時間が長くなり、フンの量も増加します。

        • 6月頃に出産し、1頭のメスが通常1〜2頭の幼獣を産む
        • 幼獣は約1か月で飛行できるようになるが、それまでねぐらに留まる
        • 8月以降は幼獣も飛行できるようになり、活動が活発化する
        • 繁殖期は建物内の滞在時間が長くなるため、被害が顕著になりやすい

        鳥獣保護管理法により、幼獣がいる時期の駆除作業には特に注意が必要です。

        Q コウモリのフンから感染する可能性のある病気は何ですか?

        結論:ヒストプラズマ症やクリプトコッカス症などの真菌感染症のリスクがあります。

        コウモリのフンに含まれる病原性真菌が乾燥して粉じん化すると、吸い込むことで感染するおそれがあります。

        • ヒストプラズマ症:肺炎のような症状を引き起こす真菌感染症
        • クリプトコッカス症:免疫力が低下している人に重篤な症状が出る場合がある
        • その他の寄生虫や細菌による感染症のリスクも指摘されている

        フンの掃除をする際は必ずマスク、手袋、保護メガネを着用し、乾いたフンを舞い上げないよう注意が必要です。

        Q コウモリ駆除を業者に依頼した場合の作業期間はどれくらいですか?

        結論:追い出しから再侵入対策まで、通常1週間〜1か月程度かかります。

        作業内容は調査、追い出し、清掃、侵入口の封鎖という複数の工程に分かれており、建物の構造や被害の程度によって期間が変わります。

        • 初回調査と見積もり:1〜2日
        • 追い出し作業と確認:数日〜1週間程度
        • フンの清掃と消毒:1〜2日
        • 侵入口の封鎖工事:1〜3日
        • 経過観察とアフターフォロー:数週間〜数か月

        繁殖期に幼獣がいる場合は、飛行できるようになるまで待つ必要があるため、さらに期間が延びることもあります。

        Q コウモリ対策に超音波装置は効果がありますか?

        結論:超音波装置の効果は限定的で、すでに棲みついている場合は侵入口封鎖が必要です。

        市販の超音波装置は一時的にコウモリを遠ざける可能性がありますが、コウモリが慣れてしまうことも多く報告されています。

        • コウモリは超音波を使って飛行するため、特定の周波数に慣れやすい
        • 建物の構造によっては超音波が届かない場所が生まれる
        • すでにねぐらとして定着している場合、超音波だけでは追い出せないことが多い
        • 侵入口を塞がない限り、一度追い出しても再侵入されるリスクがある

        根本的な対策としては、追い出し後の侵入口封鎖が最も確実です。

        Q コウモリ被害の保険適用は可能ですか?

        結論:火災保険の内容によっては適用される場合がありますが、事前の確認が必要です。

        一般的な火災保険では害獣被害が補償対象に含まれることがありますが、保険会社や契約プランによって条件が異なります。

        • 清掃費用や侵入口封鎖工事が補償対象になる場合がある
        • 建物の損傷や汚損に対する補償が適用されることもある
        • 予防的な対策は補償対象外となることが多い
        • 保険金請求には業者の見積書や被害写真などが必要

        駆除を依頼する前に、加入している火災保険の約款を確認するか、保険会社に問い合わせることをおすすめします。

        Q 冬の間にコウモリ対策をするメリットはありますか?

        結論:冬はコウモリが冬眠するため、侵入口の封鎖工事がしやすく、夏の被害を未然に防げます。

        アブラコウモリは11月〜3月頃まで冬眠するため、この時期は活動が少なく対策に適しています。

        • 冬眠中は建物から出ていることが多く、侵入口を塞ぎやすい
        • 春の繁殖期前に対策することで、夏の被害を予防できる
        • 冬は駆除業者の繁忙期ではないため、予約が取りやすい
        • 気温が低いため、フンによる悪臭が夏ほど強くならない

        ただし、建物内で冬眠している個体がいる可能性があるため、事前調査は必須です。

        この記事の作成者
        害獣駆除の専門家 鈴木 北斗

        害獣駆除センター
        害獣駆除の専門家
        鈴木 北斗


        害獣駆除センターの害獣・害虫駆除の研究員です。害獣と害虫の駆除方法について研究しています。記事で執筆している内容は、自社での実績と経験、国内と海外の学術論文を基に情報提供しています。

        地域別駆除実績

        関西エリア

        関東エリア

        東海エリア

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