害獣の退治は自分でもできる|正しい対処法をプロが解説

法的な規則について

害獣を退治する際に特に注意が必要なのは「鳥獣保護法」という法律です。この法律により、ネズミを除くほぼ全ての動物が保護されています。具体的には、無許可での狩猟や飼育、販売が禁止されており、捕獲や外傷を与えることは法律違反となります。ただし、自宅から追い払うだけであれば問題ありません。傷をつけるような行動は狩猟と見なされるため厳禁です。本記事では、野生動物を傷つけずに追い払う方法について詳しく解説しますのでぜひ参考にしてくみてください。

日本でよく現れる害獣について

日本で民家や店舗に害を与える動物は限られており、基本的には下記の動物が害獣として扱われることが主です。自分がどのような動物の被害に悩まされているのか判断するのに役立つ知恵も併せて解説します。

動物名 生息地域 特徴

アライグマ


araiguma

全国

夜行性で木登りが得意。
通れる隙間
10cm以上の穴
活発時期
5月~11月

イタチ


araiguma

西日本

細長い体で地面や水中でも活動。
通れる隙間
3cm以上の穴
活発時期
3月~10月

ハクビシン


hakubishin

東日本

木の上で生活し、果物を好む。
通れる隙間
3cm以上の穴
活発時期
3月~7月

コウモリ


hakubishin

全国

夜行性で洞窟や屋根裏に住む。
通れる隙間
1.5cm以上の穴
活発時期
5月~10月

ネズミ


hakubishin

全国

人間の住環境に適応しやすい。
通れる隙間
2.5cm以上の穴
活発時期
通年(特に11月~1月)

これらの動物は各地域に広く分布しており、適応力が高いため、家庭や農地に被害をもたらすことが多いです。特に注意が必要です。

自分でできる害獣退治の方法

大工や専門業者でなくとも害獣退治を行うことは可能です。具体的に誰でもできる対処法を紹介しますので是非参考にしてみてください。

煙で追い払う

野生動物は煙や炎に大きな恐怖心を持っています。そのため、燻煙剤(バルサンなど)を使用して屋内に侵入してくる動物を追い払うことが効果的です。具体的には、バルサンなどを動物の音が聞こえている場所で焚くことが望ましい退治方法です。ほとんどの場合は天井裏を害獣が出入りしている場合がほとんどですので、天井の点検口や襖の天井にある隠し天井の板から天井裏に直接バルサンを設置するようにしてください。

野生動物の嫌いな匂いを被害箇所に設置

煙以外にも刺激臭の強いものを使って害獣を退治・忌避することも可能です。具体手に気は下記の臭いがする物が効果的です。

硫黄の粉末 Amazon

チリパウダー Amazon

ハッカ油 Amazon

お酢 Amazon

特に粉末タイプの商品が効果的で、液体のものより長い間匂いが残ることからおすすめです。このなかでもチリパウダーが人体への害が無く動物を退治するのにとても効果的です。動物の通り道や侵入経路にこれでもかと言わんばかりに設置して使用します。

市役所で罠カゴを借りる

市役所では動物を捕獲するために無償で罠カゴを貸し出しています。設置は自分で行わなければいけませんが、動物を捕獲して処理することが可能です。

結論として、動物の嫌がることをして害獣が自分から引越すように促しましょう。逆に野生動物を放置すると、安全な住処として最終的には繁殖を始めたり、食べ物を貯蓄する倉庫として利用されることがあります。悪臭が広がる前に、早めに対処することが重要です。

害獣がいることで引き起こされる被害

害獣が住み着くことで、以下のような被害が発生することがあります。

天井で物音が聞こえる

走り回るような音やガサゴソと聞こえる音がする場合、天井裏の断熱材が荒らされている可能性があります。

天井にシミがついている

天井が雨漏りしたかのようにシミがついている場合、屋根裏に糞尿が山積みになっていることが考えられます。

壁の中から物音が聞こえる

突然大きな音が壁の中から聞こえる場合、害獣が天井に登る道として壁の隙間を利用していることがあります。

動物の鳴き声が聞こえる

キューキューやキー、ミーなどの動物の鳴き声が聞こえる場合、出産の準備をしているか、害獣の子供が産まれている可能性があります。

害獣の被害はエスカレートすることが多く、糞尿による被害で天井が抜け落ちることもあります。こうなると、駆除以上に修繕費もかかってしまいます。被害が拡大する前に早めに駆除してしまいましょう。

地域別の害獣の生息域

害獣の生息域は地域によって異なります。以下に主要な害獣の生息地域を示します。

動物名生息地域特徴
ハクビシン東日本木の上で生活し、果物を好む。
イタチ西日本細長い体で地面や水中でも活動。
アライグマ全国夜行性で木登りが得意。
コウモリ全国夜行性で洞窟や屋根裏に住む。
ネズミ全国人間の住環境に適応しやすい。

ハクビシン

東日本に広く生息しており、果物や小動物を捕食します。木の上に巣を作ることが多く、庭木や果樹に被害をもたらします。

イタチ

西日本でよく見られ、地上や水辺で活動します。小さな穴や隙間から家屋に侵入し、家畜やペットに被害を与えることがあります。

アライグマ

全国に生息しており、夜行性です。家庭菜園やゴミを荒らし、屋根裏や床下に巣を作ることがあります。

コウモリ

全国に分布し、夜間に活動します。洞窟や屋根裏にコロニーを作り、糞尿で建物に被害を与えることがあります。

ネズミ

全国に広く生息しており、家屋や食品を狙います。小さな隙間から侵入し、電気配線をかじるなどの被害をもたらします。

これらの情報を基に、自分の住んでいる地域でどの害獣が発生しやすいかを理解し、早めの対策を講じることが重要です。

害獣駆除の費用

害獣駆除の費用は被害の程度や駆除する動物の種類によって異なります。以下に、2022年度の「害獣駆除対策センター」の統計を基にした費用の目安を示します。

軽度の被害

  • 対象動物: アライグマ、イタチ、ハクビシン
  • 費用範囲: 8万円以内
  • 説明: 軽い被害の場合、簡単な駆除と再侵入防止対策で済むことが多いです。全体の約40%がこの範囲内で収まります。

中程度の被害

  • 対象動物: アライグマ、イタチ、ハクビシン
  • 費用範囲: 8万円~15万円
  • 説明: 糞尿が天井裏に山積みになっている場合など、清掃や消毒、再侵入防止対策を要します。このような場合、費用は中程度の範囲に収まります。

重度の被害

  • 対象動物: アライグマ、イタチ、ハクビシン
  • 費用範囲: 15万円~40万円以上
  • 説明: 害獣の糞尿によって天井が抜け落ちたりした場合、駆除費用に加えて修繕や室内の消毒が必要になります。こうした重度の被害では、費用が高額になることがあります。

費用の内訳は以下の通りです。

  1. 駆除作業費用: 害獣を捕獲・駆除し、再侵入を防止するための作業費用。
  2. 清掃・消毒費用: 糞尿や巣の残骸を清掃し、消毒を行うための費用。
  3. 修繕費用: 被害がひどい場合には、建物の修繕が必要となることもあります。

害獣駆除は早めに対応することで費用を抑えることができます。被害が広がる前に、適切な対策を講じることが重要です。

害獣の被害に遭わないための予防策

害獣の被害を未然に防ぐためには、動物が近寄りたくない環境を作ることが重要です。以下の方法を実践することで、害獣の侵入を防ぐことができます。

自宅の周りに食料元を置かない

  • 家庭菜園の木の実を放置しない: 落ちた果物や野菜は害獣を引き寄せます。収穫後は速やかに片付けましょう。
  • ゴミ箱は蓋つきの強固なものにする: 害獣は食べ物の匂いに敏感です。ゴミ箱はしっかりと蓋が閉まるものを使用し、定期的に清掃しましょう。

侵入防止対策

  • 敷地内の草木の背を低く整える: 野生動物は身を隠しながら移動するため、草木を整えることで侵入経路を遮断できます。特に、建物周りの低木や茂みは定期的に剪定しましょう。
  • 床下換気口を封鎖: 通れないようにパンチングメタルなど頑丈な素材で封鎖し、通気性を保ちながら侵入を防ぎます。

追い返す対策

  • 動体検知ライトを設置: 多くの害獣は夕方や朝方に活動します。動体検知ライトを設置し、薄暗い中でライトが照射されると害獣は驚いて逃げます。
  • 動物が嫌いな匂いで追い払う: 例えば、床下換気口から侵入している場合、その前にペッパーミントや硫黄臭の強い入浴剤の粉などを置くと効果的です。

これらの対策を組み合わせることで、害獣が自宅に近寄りにくくなり、被害を未然に防ぐことができます。特に、食べ物や隠れ場所を提供しないようにすることが基本的な予防策となります。定期的に環境をチェックし、早めの対策を心がけましょう。

まとめ

害獣の退治は、適切な知識と対策を持って行えば、自分でも十分に対応可能です。しかし、法的な規則に従い、動物を傷つけない方法を選ぶことが重要です。以下に、この記事のポイントをまとめます。

  • 法的な規則: 鳥獣保護法に基づき、無許可での捕獲や傷害は違法です。動物を傷つけずに追い払う方法を使用しましょう。
  • よく現れる害獣: アライグマ、イタチ、ハクビシン、コウモリ、ネズミなどが代表的です。それぞれの特徴と生息地域を把握しておきましょう。
  • 自分でできる退治方法: 煙や匂い、罠カゴを使って害獣を追い払いましょう。市役所のサポートも利用できます。
  • 害獣による被害: 音やシミ、鳴き声などの兆候を見逃さず、早めに対策を講じましょう。被害が進行すると修繕費用も高額になります。
  • 地域別生息域: 地域に応じた害獣の生息状況を理解し、適切な対策を取りましょう。
  • 駆除費用: 被害の程度に応じた費用を把握し、早めの対応でコストを抑えましょう。
  • 予防策: 食料源を取り除き、侵入防止対策や追い返す対策を組み合わせて、害獣が近寄らない環境を作りましょう。

これらの情報を元に、害獣による被害を防ぎ、快適な生活環境を維持しましょう。自分で対処が難しい場合は、専門業者に相談することも検討してください。早めの対応が、被害の拡大を防ぐ鍵となります。

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