大きい蜘蛛が現れた!その正体は「アシダカグモ」かも!


大きい蜘蛛の正体はアシダカグモ

家に大きな蜘蛛が現れた!

しかし安心してください、家の中で見かける大きな蜘蛛の多くは「アシダカグモ」という種類です。
アシダカグモは、見た目が怖い反面、毒はなく、人に害を与えることがない上に、非常に有益な虫として知られています

体全体を広げた際には10cm以上に達することもあり、特に夜になると活動することから、その大きさと気味の悪さに驚いてしまう人も多いでしょう。
しかし、ゴキブリなどの害虫を捕食するため、「益虫」として重宝されています。

そのため、放置していても何の問題もありません。


別名「軍曹」!アシダカグモってどんな蜘蛛?


アシダカグモ(足高蜘蛛、学名:Heteropoda venatoria)は、カニグモ科に属し、蜘蛛の中でも最大級に大きなクモの一種です。日本全国に分布しており、屋内に侵入してくることもあります。

もし急にアシダカグモが現れたら、多くの人は驚いてしまうと思います。しかしそんな反面。私たちを助けてくれる益虫なのです。


蜘蛛の中でも最大級!アシダカグモってどんくらいの大きさ?


アシダカグモの特徴は何といってもその大きさにあります。

アシダカグモは胴体は小さいですが、8本の足が非常に長く、足を広げると体長が10〜13cmもの大きさになります
CDやDVDの直径が11cmくらいなので、CDやDVDくらいのサイズのクモが現れると考えるとわかりやすいと思います。

胴体の大きさは性別で異なり、メスだと2.5〜3.0cm程度、オスは20〜30cm程度とメスの方が少し大きい傾向にあります。

また体の色は灰色や茶色の個体が多く、全身が短い毛で覆われています。


アシダカグモが軍曹と呼ばれる理由


アシダカグモは、夜行性のクモであり、昼間はほとんど姿を見せません

これは、クモ類全般に見られる行動パターンであり、昼間はあまり、夜になると非常に活発に動き回ります。

アシダカグモは、視覚が発達しているのに加え、足先にある特殊な感覚器官で獲物に素早く反応することができるので、暗闇の中でも獲物を捉えることができます。

そのため、素早く動くゴキブリすらも捉えて駆除してくれます。このことから「天然ゴキブリハンター」として知られており、その勇姿を讃えて「軍曹」と呼ばれています。


糸を張らない!?家を徘徊するゴキブリハンター

アシダカグモは徘徊性のクモです。

クモといえば蜘蛛の巣を張っているイメージがあると思います。しかしアシダカグモは異なり、糸を張らずに、徘徊して餌を捕えます

そのため、人が目につく場所に現れることが多く、屋内に侵入してきたら見つけるのは容易です。


放置OK!人畜無害なアシダカグモ!!


益虫と言われるアシダカグモ

アシダカグモが「益虫」と言われているのは家にいる害虫を捕食してくれるからです

アシダカグモの主な食料源であるゴキブリやハエは、家庭内で多くの問題を引き起こす衛生害虫であり不快害虫です。

特にゴキブリは、食品を汚染し、食中毒を引き起こすサルモネラ菌やカンピロバクター菌などの病原菌を運ぶ可能性があります。また、ハエも同様に病原菌を運び、蚊は人間や動物に対して直接的な害を与える吸血害虫です。

アシダカグモは、これらの害虫を捕食することで、家庭内の衛生状態を守ってくれ、間接的に健康リスクを減らしてくれます
彼らの食性は非常に多様であり、これ以外も小さな虫から比較的大きな虫まで、幅広い虫を捕食してくれます。

また、アシダカグモは巣を張らないため、屋内にクモの巣が張られる心配がなく、見た目の清潔感を保つことができます。


人に危険はない?!

アシダカグモは非常に臆病な性格をしており、人間に対して攻撃的な行動を取ることはほとんどありません。そのため、人間が近づくと逃げる傾向があります。

しかし、安全だからといって素手で掴んだりすると、自衛のために咬むことがあります。
咬まれたとしても、アシダカグモは毒を持っていないため、軽微な痛みと少し赤くなるだけでそこまで大きな被害はありません

ただし、咬まれた際には一時的な痛みや腫れが生じることがあり、特にアレルギー反応がある人は、腫れが長引く可能性があります。
そのため、アシダカグモを無理に触ったり、追い詰めたりする行動は避けるべきです。彼らが自然に逃げるように、ゆっくりと距離を置くことが最善の対策です。


駆除するべきか?放置するべきか?

【放置するメリット】

  • 害虫を駆除してくれる

【放置するデメリット】

  • 急に現れてビックリするかもしれない
  • 見た目が気持ち悪い
  • 大きくて怖い

アシダカグモを見つけたときに、最初に考えるべきことは「駆除すべきか、放置すべきか?」という問題です。

確かに、急に現れたら、その不快な見た目からすぐに駆除したくなってしまうと思います。
しかしアシダカグモは「軍曹」として家の害虫駆除に役立つため、害虫に悩まされている場合や、ゴキブリを見たくない方は放置するのがいいでしょう

アシダカグモが家にいるということはどこかにゴキブリなどの害虫が潜んでいる可能性が高いため、「放置すべき」です。もし餌となる虫がいなくなくなれば自然と外に逃げていってくれるので、安心して放置してあげてください。

しかし、アシダカグモが家の中にいるのが不快であったり、家の中で頻繁に遭遇するのが精神的に辛い場合には、駆除を検討することも選択肢の一つです


どうしても不快だったら外に逃がしてあげよう

アシダカグモは駆除するのではなく、家の外に逃がしてあげましょう

長い棒と桶やバケツ使って、外に逃がしてあげる方法か、アシダカグモを窓やドアの近くまで誘導し、外に逃がす方法がおすすめです。

駆除するのではなく逃がしてあげることで、家の周りの害虫駆除に貢献してくれることもありますし、悪い虫ではないので無駄な殺生をしなくて済むメリットがあります。

また、蜘蛛を追い出す際には素手で触らず、必ず道具を使うか、手袋を着用しましょう。蜘蛛の動きは非常に素早く、驚かせることで予想外の方向に逃げることもあります。窓やドアを開け、外に誘導する際も、ゆっくりと冷静に行いましょう。


逃すのも無理な場合は殺虫剤で駆除しよう

もし、逃すのも無理という人は市販の殺虫剤で駆除しよう。

しかし、アシダカグモの生命力が強いため殺虫剤でもなかなか殺虫できない場合があります。

そのため、長い時間殺虫剤を使用することになる恐れがあるので、室内に残留する化学成分には注意が必要です。特にペットや小さな子供がいる家庭では、ピレスロイド系などの人間に無害な成分を使用している殺虫剤を使用しましょう。殺虫剤の使用後には必ずしっかりと換気を行い、床や壁をペーパーなどで拭き取りましょう。


おすすめの殺虫剤

アース製薬 アースジェット

アースジェットは、強力ジェット噴射と高い殺虫成分があるので、確実にアシダカグモを駆除できる殺虫力を持っています。無香料かつ低刺激なので、お子様やペットのいるご家庭でも安心して使用することができます。 使用する際は裏面の使用上の注意を読んで正しく使用することをおすすめします。

アシダカグモと似ている!?「コアシダカグモ」を紹介!!


アシダカグモと非常に似ているクモに「コアシダカグモ」がいます。この2種類のクモは外見が非常に似ており、どちらもゴキブリなどの害虫を捕食する点では共通していますが、生態や特徴には少し違いがあります。

アシダカグモコアシダカグモ
大きさ10〜13cm6〜9cm
体色灰色、茶色黄系の色
模様目の下に白い線の模様お尻に三角模様
生息場所家の中が多い主に屋外

見た目の違いは?

アシダカグモは、足を広げた際に10cm以上になることが多く、その灰色、茶色の体とまだら模様が特徴です。

一方、コアシダカグモはそれよりも一回り小さく、体の全体的な色が黄色っぽく見えることが多いです。

また、アシダカグモは目の下に白い線が入っているのに対し、コアシダカグモは背中に黄色い三角形の模様を持っています。
模様を見ればすぐに見分けられるので背中と目の部分を確認してみましょう。


▲コアシダカグモの三角模様
▲アシダカグモの目の下の白い線模様

生息環境(生態)の違い

また、生息場所に違いがあります。アシダカグモは主に屋内で見られることが多いのに対し、コアシダカグモは主に屋外で生活しており、特に森林や公園のような自然環境でよく見られます。

そのため、家の中で見つかることは非常に稀です。しかし、まれに家の中に迷い込むこともあり、その際にはアシダカグモと同様に、徘徊してゴキブリやハエなどの害虫を捕食します。

生態的に見ると、アシダカグモは屋内の害虫駆除に特化しているのに対し、コアシダカグモは屋外での害虫駆除に適しています。

屋外ではアリや小さな虫を捕食しており、農業害虫の一部も捕食対象にしています。そのため、屋外でコアシダカグモが見られた場合も、無駄に駆除するのではなく、放置しておくことで自然の害虫駆除の役割を果たしてくれています。

また、コアシダカグモは温度変化に対する耐性が高く、寒い地域でも活動することができます。一方、アシダカグモは温暖な環境を好むため、寒い地域では活発に活動することができません。


1度に300個!?アシダカグモの繁殖と成長


アシダカグモの誕生と幼体期

アシダカグモは、6〜8月の間に産卵し、一度で300個以上の卵を産むことがあります

これらの卵は「卵嚢(らんのう)」と呼ばれる袋に包まれており、お母さんクモが孵化までの間、口で咥えて持ち運びます。なんとその間は餌を食べないというので驚きです。

孵化した幼体は、集まり塊となってしばらくの間動きません。との状態を団居(まどい)といういます。

団居に刺激を与えると、集まっていた子グモ達が四方八方に散らばっていきます。この様子のことを表す「蜘蛛の子を散らす」という慣用句があり、大勢の者が四方八方に逃げまどうさまのことを言います。


アシダカグモの成長と脱皮の再生能力

アシダカグモの幼体は数回の脱皮を経て、約1年かけて成体に成長します
1年の間でオスは9回程度、メスは12回程度脱皮を行うので、家の中にアシダカグモの脱皮の殻が落ちているかもしれません。

成長する段階で敵に襲われて足を失うこともありますが、脱皮には驚きの能力があるのです。
何とこの脱皮には再生能力があり、足が失った状態で脱皮を行うと足が復活するのです。

すごい能力ですね。


もし大量発生してしまったら業者に依頼しよう!!

家の中でアシダカグモが孵化して大量発生している・・・

そんな時は害虫駆除のプロ専門業者に依頼して駆除してもらいましょう。

プロの業者に任せれば、的確にゴキブリの侵入場所、発生理由を特定することができるので、確実に駆除・予防することが可能です。

ホームレスキュー株式会社は皆さまが安心して生活できるよう、プロの害虫駆除の職人が確実な駆除・予防いたします。
駆除依頼を希望の方はお気軽に相談・見積もりしてさい。


この記事の作成者
害獣駆除の専門家 ケーシーさん

害獣駆除センター
害獣駆除の専門家
元田 ケーシー


害獣駆除センターの害獣駆除の研究員です。害獣の生態や効果的な忌避方法を研究しています。記事で執筆している内容は、自社で試験調査した内容や、国内と海外の学術論文を基に情報提供しています。

地域別駆除実績

関西エリア

関東エリア

東海エリア