動物の駆除ってどこに依頼すればいい?|事例別にわかりやすく解説

野生動物の被害に突然あったときに誰もがどうするべきなのか困るものです。特に、私有地や農地で動物に遭遇した場合は、適切な対応を取る必要があります。しかし、どこに依頼すれば良いのか、どの動物がどの機関に対処されるべきかはあまり知られていませんのでこのブログ記事では各動物の対処法と駆除方法を解説します。

動物別の駆除を依頼する場所

動物の駆除は私有地に出没したか、そうでないかによって変わります。基本的に私有地で中型以下の動物が現れた場合は警察は関与してくれないことを覚えておきましょう。
それでは、具体的に害獣別に依頼先を見ていきましょう。以下の表を参考にしてください。

害獣依頼する先説明
警察、猟友会警察にまず連絡しましょう。警察が猟友会へ依頼することが一般的。
警察、猟友会警察にまず連絡しましょう。警察が猟友会へ依頼することが一般的。
鹿警察、駆除業者生体なら警察、路上死骸は道路緊急ダイヤル#9910、それ以外は駆除業者
アライグマ駆除業者、市役所自宅に現れる場合は駆除業者で農作物被害は市役所
イタチ駆除業者、市役所自宅に現れる場合は駆除業者で農作物被害は市役所
ハクビシン駆除業者、市役所自宅に現れる場合は駆除業者で農作物被害は市役所
コウモリ駆除業者駆除業者に依頼するか自己解決
駆除業者駆除業者に依頼するか自己解決

これらの情報をもとに、適切な対応を取ることで速やかに対処ができることでしょう。

動物の駆除で気を付けておくべき法律

動物を駆除する場合、鳥獣保護法に気を付ける必要があります。この鳥獣保護法に違反すると罰則が科される可能性がありますので、くれぐれも下記の項目に違反することの無いように取り組みましょう。

鳥獣保護法の概要について

鳥獣保護法は、日本の自然環境を保護するために制定された法律であり、野生の動物を捕獲することを厳しく規制しています。この法律の主な目的は、絶滅の危機に瀕している種や生態系のバランスを保護することです。

ポイント
  • 狩猟行為の禁止:許可を受けた場合を除き、一般市民が鳥獣を狩猟することは禁止されています。
  • 捕獲の制限:特定の期間にのみ許可されている種を除き、鳥獣の捕獲は原則として禁止されています。
  • 罰則:違反者には罰金や懲役が科される場合があります。

この鳥獣保護法によって、被害の状況に応じての判断が必要とされます。基本的に、自宅に現れた場合や私有地にいる動物については警察や猟友会が関与できないため、駆除業者に依頼する必要があります。ただし、クマやイノシシは例外的に自宅でも警察が動いてくれます。

  • 警察:クマやイノシシ、鹿などの大型動物の場合
  • 駆除業者:アライグマ、イタチ、ハクビシン、コウモリ、ネズミなどの場合
  • 市役所:農作物被害を受けた場合や捕獲器の貸し出しなど

地域別の良く現れる害獣

日本全国には様々な害獣が生息していますが、地域によってその分布や出没頻度に違いがあります。ここでは、各地域でよく見られる害獣について解説し、適切な対策を紹介します。

日本全域に分布している動物

日本全域には多くの害獣が分布していますが、特に以下の動物が頻繁に見られます。

  • アライグマ
  • イタチ
  • ハクビシン
  • コウモリ
  • ネズミ

これらの動物は全国的に見られるため、どの地域に住んでいても注意が必要です。しかし、一部の動物は地域ごとに分布の偏りがあります。

地域別の対策

実際に自宅や私有地に現れている動物が何の動物なのか、知っておくことが駆除を行う前に大切なことです。例えば、ダンゴムシにハエスプレーをかけても効果が無いように動物にはそれぞれの好き嫌いがありますので被害にあっている動物をしっかり把握しておきましょう。

  • 西日本イタチ・アライグマ・コウモリ・ネズミが良く見られる動物です。ハクビシンはあまり生息することはありません。
  • 東日本ハクビシン・アライグマ・コウモリ・ネズミ・クマなどの動物が良く確認されます。イタチは東日本で確認されることはほとんどありません。
  • 全国共通アライグマ・コウモリ・ネズミは全国的にみられる動物です。

次に、駆除業者に依頼した場合の料金について詳しく見ていきます。具体的な費用や事例を通して、どの程度の費用がかかるのかを理解しましょう。

駆除業者に依頼した場合の料金について

動物の駆除を業者に依頼する場合、その料金は動物の種類や被害の程度によって異なります。ここでは、代表的な害獣の駆除料金について、具体的な事例を交えながら解説します。

アライグマ・イタチ・ハクビシンの駆除料金

これらの害獣は、自宅に侵入することが多いため、駆除と修繕が必要になるケースが多いです。以下は、弊社の統計による駆除料金の事例です。

  • 軽微な被害:被害が軽い段階で駆除を依頼した場合、約4割のお宅が8万円以内で駆除と修繕を完了しています。
  • 重度の被害被害を放置した場合、30万円以上の修繕費や対策工事が必要になるケースもあります。

具体的には、被害の規模に応じて以下のような費用がかかることがあります:

被害の重さ駆除料金修繕費用
軽微5万円〜8万円修繕費込み
中度8万円〜15万円修繕費別途
重度15万円〜30万円修繕費別途
コウモリの駆除料金

コウモリの駆除は、通気口などの小さな隙間から侵入するため、特に対策が必要です。

  • 軽微な被害:通気口1箇所の対策の場合、7万円以内で完了することが多いです。
  • 大規模な対策:複数箇所での対策や足場の設置が必要な場合、駆除費用に加えて設置費で40万円前後かかることがあります。

具体的な料金の例は以下の通りです

被害の重さ駆除料金足場設置費用
軽微5万円〜7万円不要
中度7万円〜15万円必要な場合有
重度15万円〜40万円足場設置費込み

コウモリ駆除料金を詳細に解説している記事


ネズミの駆除料金

ネズミの被害は、家屋の内部に及ぶことが多く、被害の範囲によって料金が大きく異なります。

  • 軽度の被害:約5割のお宅が5万円以内で駆除を完了しています。
  • 重度の被害:数十匹のネズミが家中に広がっている場合、駆除と対策工事で25万円〜50万円の費用がかかることがあります。

以下は具体的な料金例です

被害の重さ駆除料金消毒費用
軽度3万円〜5万円不要
中度5万円〜25万円別途必要
重度25万円〜50万円消毒費込み

このように、動物の駆除料金は被害の重さや対応の難易度によって大きく変動します。早めに対策を講じることで、被害を最小限に抑え、費用も抑えることができます。

ネズミ駆除の金額や相場をわかりやすく解説


次に、動物駆除に関する補助金について説明します。どのような補助金が利用可能か、またその申請方法について見ていきましょう。

補助金について

動物の駆除に関する補助金制度について説明します。残念ながら一般家庭向けの補助金はあまりありませんが、農業や林業を営む方々には利用可能な補助金があります。内容については、別の記事で細かい補助金の一覧を公開しておりますので是非参考にしてみてください。

一般宅向けの補助金

一般宅向けの動物駆除に関する補助金は残念ながらほとんどありませんが、どこの市役所で罠カゴの無料貸し出しを行っています。地域によってはネズミ用の罠カゴも貸し出している市町村もあります。

  • 罠の貸し出し:市役所に問い合わせることで、無料で罠カゴを借りることができます。これにより、自力で初期的な対策を行うことが可能です。
  • 金銭的援助:一般家庭向けには金銭的な援助はほとんど提供されていないため、駆除業者に依頼する際の費用は自己負担となります。

農業や林業向けの補助金

農業や林業を営む方々にとって、動物被害は金銭的な損害が出るため市役所や行政機関が地域によって援助をしてくれることがあります。市役所やインターネットで検索して自分の地域に補助が無いか確認するようにしましょう。

  • 防護柵の設置補助:農地を守るための防護柵の設置費用が補助されることが多いです。これにより、イノシシやシカなどの大型動物の侵入を防ぐことができます。
  • 捕獲器の購入補助:地域によって捕獲器の購入費用が補助される制度があります。これにより、アライグマやイタチなどの小型動物の捕獲が容易になります。
  • 被害対策費用の補助:動物による被害が発生した際の復旧費用や対策工事費用が補助されることがあります。

具体的な補助金の申請方法や詳細については、各都道府県の補助金情報に沿って該当部署に問い合わせることをお勧めします。また、弊社では全都道府県の補助金情報をまとめたブログを提供していますので、詳しくはそちらをご確認ください(リンク)。

プロによるアドバイス

動物の駆除は被害が広がる前に早めに対処することが安く駆除を済ませるコツです。放置することで糞や損傷が拡大し、修繕や対策にかかる費用も増加します。ここでは、プロの視点から見た動物駆除に関するアドバイスを紹介します。

動物の駆除は放置して良いことは何もない

被害を受けた場合、”いつかいなくなるでしょ”と軽く考えず、早めに対応することが最善です。特に以下のポイントに注意してください

  • 早期発見と迅速な対応:動物の存在を早期に発見し、迅速に対応することが重要です。初期段階で対応することで、被害を最小限に抑えることができます。
  • 専門業者への依頼:自分で対処するのが難しい場合や、危険な動物の場合は、専門の駆除業者に依頼することが安全です。

クマやイノシシなどの大型動物

クマやイノシシなどの大型動物は非常に危険です。これらの動物が出没した場合、以下の手順を守りましょう

  • 警察に連絡:まず警察に連絡し、状況を報告します。警察が猟友会を手配し、安全に駆除を行います。
  • 安全確保:警察が到着するまで、可能な限り安全な場所に避難し、無理に近づかないようにしましょう。

自分で駆除をする場合

もし自分で駆除を行う場合は、適切な方法で対策を行う必要があります。以下のアドバイスに従って、安全に駆除を行いましょう

  • 身の安全を第一に:自分の身の安全を最優先に考え、無理をしないことが重要です。手で捕まえるのではなく、罠などを活用して捕獲してください。
  • 適切な道具の使用:罠や捕獲器、忌避剤など、適切な道具を使用して駆除を行いましょう。
  • 専門的な知識の活用:弊社では各種動物の駆除方法について詳細に解説していますので、参考にしてください。

駆除方法の具体例

例えば、以下のような方法があります

  • アライグマ:捕獲器を設置し、誘引餌を使用して捕獲する方法。
  • ネズミ:粘着シートや忌避剤を使用し、侵入経路を封鎖する方法。
  • コウモリ:通気口や隙間を塞ぎ、侵入を防ぐ方法。

これらの方法は、動物の種類や状況に応じて最適なものを選択することが重要です。

弊社のサポート

弊社では、各種動物の駆除に関する詳細な情報や具体的な対策方法を提供しています。お困りの場合は、ぜひ一度弊社のブログやサポートサービスをご利用ください。

まとめ

動物の駆除は、日常生活や農業・林業を営む上で避けて通れない問題です。本記事では、動物の駆除に関する重要なポイントを以下のようにまとめました。

1. 適切な依頼先の選定

動物の種類によって、依頼すべき機関が異なります。特に危険な動物(クマやイノシシなど)は警察に連絡し、猟友会を手配してもらう必要があります。一方で、アライグマやネズミなどの小動物は駆除業者に依頼するか、自己対策を行うことが一般的です。

2. 法的規則の遵守

動物の駆除には鳥獣保護法が適用され、無許可での狩猟や捕獲は違法となります。法的規則を守り、適切な機関に依頼することが求められます。

3. 地域ごとの害獣対策

日本各地でよく見られる害獣は地域によって異なり、適切な対策を講じることが重要です。特に西日本ではイタチ、東日本ではハクビシンが多く見られます。地域ごとの分布を理解し、防護策を強化することが推奨されます。

4. 駆除業者に依頼した場合の料金

駆除業者に依頼する場合の料金は、動物の種類や被害の程度によって大きく異なります。初期段階で対策を講じることで、費用を抑えることができます。特に、アライグマやネズミなどの駆除は早期対応が肝心です。

5. 補助金の活用

一般家庭向けの補助金は限られていますが、農業や林業を営む方々には補助金が充実しています。適切な補助金を活用し、効率的に対策を行いましょう。

6. プロのアドバイス

動物の駆除は放置せず、早めに対応することが重要です。自分で対策を行う場合も、安全を最優先に考え、適切な道具と方法を使用することが推奨されます。

以上のポイントを踏まえ、動物の駆除に対する理解を深め、適切な対応を行うことで被害を最小限に抑えましょう。弊社では、さらに詳しい情報や具体的な駆除方法についてのサポートを提供しています。お困りの場合は、ぜひ一度ご相談ください。

この記事の作成者
害獣駆除の専門家 ケーシーさん

害獣駆除センター
害獣駆除の専門家
元田 ケーシー


害獣駆除センターの害獣駆除の研究員です。害獣の生態や効果的な忌避方法を研究しています。記事で執筆している内容は、自社で試験調査した内容や、国内と海外の学術論文を基に情報提供しています。

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