ハクビシンの対策に必要な知識|害獣駆除のプロ

ハクビシンは東日本を中心に生息するイタチやフェレットによく似ている野生動物です。果物が好物で柿の木やその他の農作物がある場合に出現する可能性が高まります。ハクビシンの被害で困っている人のために害獣駆除業者が教える対策に必要な知識をまとめます。

ハクビシンの特徴

  • 体長:40cm~50cm
  • 特徴:顔の中心に白い線模様
  • 体毛:灰色~焦げ茶
  • 通れる隙間:8㎝以上の穴
  • 生態:夜行性
  • 好物:果物

ハクビシンは日本を含むアジア諸国に生息する動物で及ぼす被害のほとんどは、民家の天井裏への侵入と農作物への被害です。攻撃性は低く基本的には穏やかで臆病だが縄張りに侵入された場合に反撃します。あまり多くの病原菌は媒介していませんが野生動物ですのでノミやダニなどの害虫を多く体毛に宿しているため近づかないほうが賢明です。

ハクビシン駆除の法律

ハクビシンは鳥獣保護法によって保護されていますが、ハクビシンの嫌いな臭いを使って追い払ったり、家に入ってこないように対策したり農作物を守ることはもちろん許可されています。捕獲することも可能で、市役所に相談して無料の罠カゴを借りれば捕獲することも可能です。ただし、無許可での捕獲や狩猟にあたる行為は犯罪となりますので注意しましょう。

(環境省:鳥獣保護法の概要)

唐辛子が最強!忌避に最適

ハクビシンは辛い食べ物や強い匂いを嫌います。具体的には、唐辛子やカプサイシンを含む食品、木酢液の匂いが忌避効果があります。これらを利用してハクビシンを寄せ付けないようにすることが効果的です。

特におすすめなのが、「粉唐辛子」です。粉末をハクビシンの通り道となりうる隙間などにこれでもかというほどに振りまきましょう。また、屋外部での対策では多量の粉唐辛子が必要となりますので木酢液を半分に切ったペットボトルに入れて5メールトル間隔で設置するとハクビシンが寄り付きにくくなります。

ハクビシン対策に使える商品

ハクビシンの駆除や忌避には、様々な商品がありますが「追い出しに使う煙タイプの燻煙剤」と「カプサイシンを含んでいる商品」「木酢液」をおすすめです。特に設置場所をしっかり理解した上で使用すれば駆除の成功率が高まりますので是非参考にしてください。

天井裏の被害の場合

木酢液はハクビシンが嫌う臭いで高い忌避効果があります。スプレーボトルに入れて振り撒くことが広範囲での使用に便利です。スプレーで振りまくと蒸発してしまうため効果は2週間ほど効果が切れますので再散布する必要があります。長期間効果を持続させるには、コップに入れて置いておくと1か月以上は匂いを発生させ続けます。匂いがしなくなったら補充しましょう。コップに入れる場合は、効果範囲が2mほどですので、特定の場所をハクビシンに通ってほしくないときに便利です。

バルサン系の燻煙剤はハクビシンを家から煙で追い払うのに活用します。天井裏に繋がる点検口を開けて設置することで最大の効果を発揮します。また、ハクビシンが持ち込んだ害虫を合わせて駆除できるためおすすめしています。ハクビシンは体毛にノミとダニが付着していることが多く、もし室内にも被害が出ている場合はお部屋の中でも焚くようにしましょう。

農業・屋外被害

屋外での使用はカプサイシンを含んでいるいわゆるレッドシートと呼ばれる商品がおすすめです。一定間隔で括り付けて広範囲の対策を行います。ほとんどの商品の効果期間は1年と長めの効果が期待されます。カプサイシンはハクビシンの忌避にとても高い効果がありますが、自然由来の成分ですので自然環境の中では徐々に分解されてしまいます。土や木に括り付けると微生物による分解が早まりますので空中に吊るすようにして使用することが推奨されています。

また、農業関係の場合はこれらの商品が卸し業者から安く購入できる場合もありますので個人購入か業者さんからの購入のどちらが安価か確認しましょう。

捕獲する方法

ほとんどの市役所・自治体では、ハクビシンなどの害獣対策として、無料で罠カゴを貸し出すサービスを提供しています。市役所で「有害鳥獣捕獲許可申請」という申請を行うことでこの罠カゴを借りることができます。申請に必要な書類を記入するだけ申請が簡単に完了しますので是非市役所で担当部署を確認して捕獲許可を貰いましょう。また、申請部署は市町村によって部署名が違っており、多くの場合は「環境○○科」や「農政○○科」といった名称の部署がハクビシンを含む野生動物の対処について相談できる窓口となっています。市役所の受付で確認すればすぐに教えてもらえるため職員に聞いてみましょう。

また捕獲機は特殊な構造となっており、初めて罠カゴを利用する場合は扱い方がわからないことが多いため、しっかり罠カゴの使い方について教えてもらいましょう。

駆除を業者に依頼したらいくら?

(害獣駆除対策センター2019年~2023年実績より算出)

ハクビシンの対策を駆除業者に依頼した場合の費用は60.8%の場合は10万円未満で駆除を依頼する家がほとんどです。捕獲だけではなく、それ以上の防除対策や掃除などを依頼したり広い敷地の対策をする場合は10万円を超える対策費用が必要となる場合があります。

ほとんどの駆除業者は無料で調査と見積もりの提示まで行っていますので最低でも2~3社に相見積もりを取って最も納得のいく会社に依頼するようにしましょう。

ポイント

  • 絶対相見積もりする:駆除業者によっては得意な対策が違い料金も違うため必ず相見積もりする。
  • 相見積もりしていることを業者に言う:引っ越し業者の相見積もりを取ることが当たり前なように、駆除業者も相見積もりを知ると提示金額を安くしてくれます。
  • 高圧な営業に注意:契約を急かしてくる業者は高い見積金額を無理やり契約させようとする業者がいます。

ハクビシンの生息する地域

都道府県をクリックして詳細を確認

アライグマ都道府県生息マップ 北海道 青森県 秋田県 岩手県 山形県 宮城県 新潟県 福島県 栃木県 茨城県 千葉県 群馬県 埼玉県 東京都 神奈川県 山梨県 静岡県 長野県 富山県 石川県 福井県 岐阜県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 奈良県 和歌山県 大阪府 兵庫県 島根県 岡山県 鳥取県 広島県 山口県 香川県 徳島県 愛媛県 高知県 福岡県 大分県 宮崎県 佐賀県 熊本県 長崎県 鹿児島県 沖縄県

害獣駆除対策センターの駆除統計に基づきハクビシンのみの相談件数を表示しています。都道府県をクリックすると詳細が確認できますのでお住まいの都道府県の情報を確認しましょう。このハクビシンのヒートマップから確認できるように、関東・関西を中心にハクビシンの被害が集中していることが確認できます。特に東京と兵庫県では相談数がとても多く注意が必要です。

グレーで表示されている都道府県でもハクビシンがいない訳ではありません。地方で被害にあっている物件や農家は基本的にご自身で対処するか、被害を放置する傾向にあります。被害の放置は、ハクビシンのいたずらがエスカレートしますので早めに対処するよ

ハクビシンとその他害獣の足跡

ハクビシンの被害かを調べるために足跡や鳴き声を紹介します。ハクビシンの足跡は、手の形に似ており、5本の指がはっきりとした特徴的な形状をしています。環境によっては、ハクビシンの親指が痕跡として見えずらいことがありますので点多いためこうした足跡を見つけた場合は、ハクビシンが近くにいる可能性が高いです。また、鳴き声には「シャー、シーシー」「キューキュー」という音が特徴的であり、夕方から夜間に活動することが多いため、夜にこの音が聞こえたらハクビシンの存在を疑ってください。

[ハクビシンの鳴き声]

もしこれらの痕跡からハクビシンではない場合は、害獣別の鳴き声を別記事にまとめていますので参考にしてください。

この記事の作成者
害獣駆除の専門家 ケーシーさん

害獣駆除センター
害獣駆除の専門家
元田 ケーシー


害獣駆除センターの害獣駆除の研究員です。害獣の生態や効果的な忌避方法を研究しています。記事で執筆している内容は、自社で試験調査した内容や、国内と海外の学術論文を基に情報提供しています。

参考資料

地域別駆除実績

関西エリア

関東エリア

東海エリア