ゲジゲジの生態から駆除方法まで専門業者が徹底解説!

はじめに

家の中で突然ゲジゲジを見かけると多くの人がその独特な見た目に驚き不快感を覚えることでしょう。しかし、ゲジゲジは見た目に反して益虫としての重要な役割を担っています。

本記事では、ゲジゲジの基本的な生態や特徴から活動時期、繁殖、さらに効果的な駆除方法や予防策について詳しく解説します。

ゲジゲジに対する理解を深め、適切な対応をすることで、快適な生活環境を維持しましょう。


ゲジゲジの生態や特徴

ゲジゲジ(正式名称:ゲジ(蚰蜒))は日本でよく見られる昆虫で、見た目が特徴的なことから見かけると驚く方も少なくありません。

しかしこの昆虫には意外な一面があります。

まずはゲジゲジの種類や見た目の特徴、生態について詳しく解説します。

日本に生息するゲジゲジの種類


日本にいるのは「オオゲジ」と「ゲジ」という2種類に分布しています。

  • オオゲジ:体長40〜80mmの大型種で、その足の長さが特徴です。背面は暗褐色で各胴節毎に赤い紋があり、足は約15対あります。

  • ゲジ:体長20〜25mmの小型で、体:褐色(黄の縞) 足:黄(黒の縞)でオオゲジ同様15対の足があります。

ゲジゲジの見た目の特徴

成虫のゲジゲジはその独特な外見として以下の特徴があります。

  • 体の色:褐色を基調とし黄の縞模様が見られます。
  • 足の色:黄色がベースで黒の縞模様が入っています。
  • 足の数:左右に15本ずつ、合計で30本の足を持ちその動きが非常に素早いのが特徴です。

これらの特徴からゲジゲジは見た目が非常に個性的で、一部の人には不快感を与える場合がありますが、生態を理解するとその重要性がわかります。


ゲジゲジの活動時期と産卵時期

主な活動時期

また、夜行性であるゲジゲジは日没後に行動を開始する習性があり、日中は湿気の多い隙間や物陰に潜んでいることが一般的です。この行動パターンは、天敵から身を守るための進化的な適応と考えられています。

産卵時期と繁殖の特徴

ゲジゲジの産卵は、6月から11月の間に行われます。一度に産む卵の数は非常に多く、約100〜300個にもなります。産卵は湿度が高く安全な場所を選んで行われ、例えば押し入れの奥や家具の裏側、庭の湿った土壌などが適しています。この卵は産卵後15〜20日後に孵化し、幼虫が誕生します。

幼虫は成虫になるまでに15回以上の脱皮を繰り返し、成長には約2年かかります。成虫となったゲジゲジの寿命は約5〜6年とされています。昆虫としては比較的長寿であり、その間に多数の害虫を捕食するため、益虫とも言われています。

季節ごとの行動変化

ゲジゲジの行動は季節ごとに変化します。

冬(12月〜2月)
寒冷な環境では活動がほとんど見られなくなりますが、完全に休眠するわけはありません。寒さを避けて隙間や物陰でじっとしていることが多くなります。

春(3月〜5月)
冬眠状態から目覚める季節です。この時期のゲジゲジは、活動を徐々に再開しながらエサを探します。特に温暖な日が続くと、家の中や庭で見かけることが増えます。

夏(6月〜8月)
繁殖と捕食活動がピークに達します。高湿度の環境でエサとなる害虫が増えるため、ゲジゲジの動きが非常に活発になります。

秋(9月〜11月)
活動量はやや減少しますが、引き続き繁殖活動が行われます。特に10月頃までの暖かい時期には目撃されることが多いです。


人間の生活環境への影響

ゲジゲジの活動時期や産卵時期を理解することで、彼らが家の中に侵入するリスクを軽減できます。湿気対策や隙間の封鎖、エサとなる害虫の駆除を行うことで、家の中でのゲジゲジの発生を予防できます。


ゲジゲジの生息・発生場所

生息環境

ゲジゲジは湿気を好む昆虫であり、人間の生活空間に入り込むことがあります。特に以下のような場所でよく見られます。


  • お風呂場:水回りの湿気が多い環境を好むため、お風呂場や洗面所などに生息します。
  • 押し入れ:暗くて湿気がこもりやすい場所は、ゲジゲジが好む条件を満たしています。
  • 家の隙間:床下や壁の中、さらには家具の裏側など目に見えにくい場所にも潜むこともあります。

家への侵入経路

ゲジゲジは比較的小さな隙間から簡単に家の中に侵入します。以下のような箇所に注意が必要です。


  • 玄関のドアの隙間
  • サッシや網戸の隙間
  • 換気扇
  • エアコンの室外機

これらの経路を防ぐことで、ゲジゲジの侵入をある程度抑えることができます。

ゲジゲジの習性の詳細

夜行性の活動パターン

ゲジゲジは主に夜行性であり、暗い環境で活発に活動します。

これは、天敵から身を守りながら効率的に獲物を捕食するための習性です。日中は物陰や湿気の多い場所に隠れ夜になるとエサを求めて移動します。

この行動パターンは、彼らの天敵である鳥類や大型の昆虫から身を守るための進化的な特徴と考えられています。

捕食のメカニズム

ゲジゲジは非常に素早い動きを特徴とし、この俊敏性を利用して獲物を捕らえます。
主な獲物にはゴキブリ、アリ、クモなどが含まれます。ゲジゲジは獲物に近づくと一瞬のうちに飛びかかり、持ち前の鋭い顎で噛みつきます。噛むことで相手を即座に動けなくし、その後安全な場所で捕食します。

また、ゲジゲジの30本の長い足は獲物を逃さないための重要な武器です。これにより獲物をしっかりと捕まえたまま、素早く安全な場所に移動することが可能になります。

生息環境への適応力

ゲジゲジは湿気の多い環境を好む一方で、乾燥した環境にも一定の耐性を持っています。
このため、都市部から郊外の住宅地、さらには自然豊かな地域まで幅広く生息しています。特にお風呂場や押し入れなど、湿度が高く暗い場所は彼らにとって理想的な住処となります。

さらに、ゲジゲジはその足の構造を活かして壁や天井を自在に移動することができます。この能力により、他の昆虫がアクセスしにくい場所での捕食活動が可能になります。

社会性の欠如

多くの昆虫が集団で行動するのに対し、ゲジゲジは単独行動を好む性質があります。これは、食物資源を効率的に利用するための戦略と考えられています。単独行動により、他の個体と食物を巡って競争する必要がなくなり、自分だけの捕食領域を確保できます。

ストレス耐性

ゲジゲジは比較的ストレスに強い昆虫であり、環境の変化に対する適応力が高いです。温度や湿度の急激な変化にも耐えることができ、厳しい環境下でも生存する能力を持っています。この特性は、彼らがさまざまな環境で成功を収める要因の一つです。

ゲジゲジの天敵

ゲジゲジには自然界での天敵も存在します。特に以下の生物がゲジゲジを捕食します。


  • 鳥類:小型の昆虫を主食とする鳥がゲジゲジを捕らえることがあります。
    特に朝夕に活動が活発な鳥類は夜行性のゲジゲジが隠れきれない場合に捕食することが多いです。
  • クモ:特に大型のクモがゲジゲジを捕食します。
    クモの巣に引っかかったゲジゲジが逃げられずに捕まるケースが多く見られます。
  • トカゲやカエル:湿度の高い環境で共存する両生類や爬虫類もゲジゲジを捕食します。
    これらの生物はゲジゲジの動きを敏感に察知し、素早く捕まえます。

このようにゲジゲジは捕食者であると同時に、他の生物にとってのエサとして生態系のバランスを保つ重要な存在です。


ゲジゲジの駆除方法

家でゲジゲジを見かけた場合、多くの方が驚いてしまうでしょう。

しかし、適切な駆除方法を知っていれば落ち着いて対応することが可能です。

即効性のある駆除方法


  1. スプレータイプの殺虫剤
    ゲジゲジを発見したその場で使用できる殺虫剤です。
    動きが速いゲジゲジに対して即効性があり、確実に駆除できます。
  2. くん煙剤
    家全体を効果的に駆除するために使用します。特に大量発生が懸念される場合に有効です。
  3. 誘引殺虫剤
    ゲジゲジをおびき寄せて駆除するための専用アイテムです。
    設置しておくことでゲジゲジが自然と駆除される効果があります。

見た目だけが不快な”益虫”

多くの人がゲジゲジに対して抱く感情は、「怖い」「気持ち悪い」といったものかもしれません。
しかし、実際にはゲジゲジは人間に危害を加えることはありません。
それどころかゴキブリやダニ、クモなどの害虫を捕食する益虫としての重要な役割を果たしています

益虫としての役割

ゲジゲジは私たちが嫌う害虫を捕食することで、家の中の衛生環境を保つ手助けをしてくれます。
必要以上に駆除するのではなく、発生を抑える対策を取ることが重要です。

ゲジゲジの予防方法

ゲジゲジの発生を防ぐためには、以下の予防策を実施しましょう。


家の中の害虫を駆除する

ゲジゲジは害虫をエサとするため、家の中にエサとなる害虫がいない状態を保つことが重要です。
定期的な害虫駆除を行いましょう。

湿気対策

湿気はゲジゲジが好む環境です。以下のような対策を取り入れましょう。

排水溝には栓をする
夜間や使用しない時間帯には栓をすることで湿気を抑えられるだけでなく、ゲジゲジの侵入を防ぐ効果も期待できます。

換気口や換気扇に目の細かいネットを取り付ける
目の細かいネットを取り付けることで湿気を軽減し、同時に侵入も防ぐことが可能です。ネットは定期的に掃除して通気性を保つことも重要です。

湿気の多い場所を清掃し風通しを良くする
湿気がたまる場所を掃除し風通しを良くするだけでなく、家具を壁から少し離して空気の流れを確保することが湿気対策に効果的です。

隙間をふさぐ

ゲジゲジの侵入経路を断つことが重要です。以下の対策を取り入れましょう。

  • 壁のひび割れや隙間をパテやテープなどを用いて埋める
  • 扉や窓をこまめに閉める

天然素材を活用

ゲジゲジは強い香りを嫌う性質があります。天然素材を活用したゲジゲジ対策は環境に優しく、家族やペットにも安心です。アロマオイルハーブ防虫チップなどを上手に活用し化学薬品に頼らない快適な住環境を作りましょう。
化学薬品を使わずにゲジゲジを遠ざける方法として、以下を試してみてください。

  1. アロマオイルを利用する
    ・ミントオイル:爽やかな香りが特徴で、ゲジゲジが嫌う成分を含んでいます。水で薄めてスプレーとして使用すると、侵入防止に効果的です。
    ・ヒノキオイル:自然な木の香りがゲジゲジの忌避効果を発揮します。特に和室や押し入れのような木材の多い場所での使用に適しています。
    ・ユーカリオイル:強い抗菌作用があり、ゲジゲジだけでなく他の害虫も遠ざける効果があります。
  2. 天然防虫剤の設置
    ・ヒノキチップ:ヒノキのチップを家の隅や湿気の多い場所に置くことで、ゲジゲジの侵入を防ぎます。
    ・ドライハーブ:ラベンダーやローズマリーのドライハーブを小袋に入れ、クローゼットや押し入れに設置します。
  3. 侵入防止剤の活用
    天然素材を使用した侵入防止剤も市販されています。これらは化学成分を含まないため、ペットや小さな子どもがいる家庭でも安心して使用できます。

    ・粉末タイプ:窓のサッシや玄関周辺に撒くことで、ゲジゲジの侵入を効果的に防ぎます。
    ・スプレータイプ:家全体に散布することで、幅広い範囲をカバーします。
  4. 自作の天然忌避スプレー
    以下の手順で、簡単に天然素材を活用したスプレーを作ることができます。

    ・スプレーボトルに水200mlを入れる。
    ・好みのアロマオイルを10〜15滴加える。
    ・ボトルを振って混ぜ、家の隅や湿気の多い場所にスプレーします。

    このスプレーは、害虫忌避だけでなく、部屋の香りを良くする効果もあります。

まとめ

ゲジゲジは見た目こそ不快ですが、ゴキブリやクモなどの害虫を捕食する頼もしい益虫です。

ゲジゲジは湿気だけではなく、暗い場所や隠れ家を好む性質があります。

床下や屋根裏、家具の隙間など普段目にしない場所で発生する可能性が高いため、定期的な清掃やチェックが欠かせません。

また、エサとなる小さな昆虫(アリやハチ、ゴキブリなど)が多い環境ではゲジゲジも活発に活動します。

適切な駆除方法と予防対策を実施して、快適な住環境を保ちましょう。

この記事の作成者
害獣駆除の専門家 ケーシーさん

害獣駆除センター
害獣駆除の専門家
元田 ケーシー


害獣駆除センターの害獣駆除の研究員です。害獣の生態や効果的な忌避方法を研究しています。記事で執筆している内容は、自社で試験調査した内容や、国内と海外の学術論文を基に情報提供しています。

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