アナグマの駆除方法とは?具体的なやり方や予防策について

アナグマは日本全国で見られる小型の哺乳類で、外見は愛らしいものの、庭や畑を荒らしたり、建物の下に巣を作ることがあります。その結果、農作物被害や衛生問題が発生するため、場合によっては駆除や予防対策が必要になります。本記事では、アナグマの駆除方法と効果的な予防策について詳しく解説します。


アナグマの特徴と生態

アナグマは、以下のような特徴を持つ動物です:

  • 分類:イタチ科アナグマ属
  • 体長:50–70cm程度(尾を含む)
  • 体重:5–10kgで、季節によって変動あり。冬に向けて体重が増加する傾向があります。
  • 毛色:体の毛は茶色や灰色が主体で、顔には特徴的な黒と白の縞模様があります。
  • 寿命:野生では5–8年、飼育下では10年以上生きることもあります。
  • 活動性:主に夜行性で、日中は穴の中で休むことが多いです。
  • 巣作り:地中に深い穴を掘り、トンネル状の巣穴を作ります。巣穴は複雑で、複数の出口や部屋があることが特徴です。
  • 主な食べ物:昆虫、果実、小動物、ミミズなどの雑食性。季節ごとに食性が変わり、秋には木の実や果実を好む傾向があります。
  • 繁殖:繁殖期は春から夏にかけてで、1回に2–4匹の子供を産む。

アナグマは土を掘る習性があり、庭や畑を荒らしてしまうことがあります。また、家の床下や隙間に巣を作り、悪臭や騒音の原因になることもあります。


アナグマによる被害の例


  1. 農作物の被害
    • 野菜や果物を食い荒らし、農家に深刻な経済的損失を与えます。
    • 種を撒いたばかりの畑を掘り返して荒らすことが多い。
    • 作物を守るためのネットや囲いを破壊する。
  2. 庭や芝生の荒廃
    • ミミズや昆虫を求めて地面を掘り返し、大きな穴を作ります。
    • 花壇や芝生が荒れ果て、美観を損ないます。
    • 果樹や観賞用植物の根を掘り起こして枯死させることもあります。
  3. 建物への影響
    • 床下や物置に巣を作り、木材や断熱材を傷つけます。
    • 巣作りの際に建物の基礎部分を掘り起こし、構造的なダメージを与えることもあります。
    • 悪臭やダニ、ノミの発生源となり、衛生問題を引き起こします。
  4. 衛生問題
    • フンや尿による悪臭や病原菌の拡散。
    • アナグマが媒介する病気(レプトスピラ症やツツガムシ病など)のリスクが高まります。
    • ダニやノミを媒介し、家畜やペットにも被害を与える可能性があります。

アナグマの駆除方法

アナグマを効果的に駆除するためには、法律を遵守しつつ適切な方法を選ぶことが重要です。

1. 捕獲器を使った駆除

  • アナグマが通るルートや被害の発生場所に設置します。
  • 強度が高く、動物を傷つけない捕獲器を使用することが推奨されます。

エサの選択

  • 果物(リンゴ、バナナ)や昆虫、小型の肉類などアナグマが好むエサを使用。
  • 強い匂いのする食べ物を置くと、捕獲率が上がります。

注意点

  • 捕獲後は、自治体や保健所に連絡して適切に対応する必要があります。
  • 鳥獣保護法に基づき、捕獲には許可が必要な場合があります。

2. 忌避剤の使用


市販の忌避剤

  • アナグマが嫌がる匂い(アンモニア系、ハーブ系)のスプレーや粒剤を被害箇所に散布。
  • 防水効果のあるものを選び、雨天後に再散布することが重要です。
  • 自家製の忌避剤
    • 唐辛子、酢、水を混ぜたスプレーを使用し、アナグマが近寄りそうな場所に散布。
    • 安価で効果的ですが、頻繁な再散布が必要です。

物理的な障害物の設置

  • フェンスやネット
    • 地面に埋め込むタイプの金属製フェンスを設置することで、アナグマが掘るのを防ぎます。
    • 強度の高い素材を使用することで、長期間の効果が期待できます。
  • 電気柵
    • アナグマが触れると軽い電気ショックが発生するタイプの柵を設置。
    • 農作物や庭を保護するために、畑全体を囲むように設置します。

超音波装置の活用

  • アナグマが嫌がる特定の周波数の音波を発生させる装置を設置。
  • 夜間に自動で稼働させる設定が可能なものを選ぶと便利です。
  • ただし、効果には個体差があるため、他の対策と併用するのがおすすめです。

アナグマの駆除費用はいくらかかる?

駆除方法費用 (円)
罠による捕獲30,000
燻煙駆除50,000
捕獲+再放流40,000
捕獲+処分60,000
駆除+被害修繕80,000

アナグマ駆除の費用は、駆除方法や被害の程度、専門業者の利用などによって異なります。以下は一般的な費用の目安です:

  1. 捕獲器の購入費用
    • 市販の捕獲器の価格は5,000円〜20,000円程度。
    • 長期的に使用する場合は、耐久性の高い製品がおすすめです。
  2. 専門業者の駆除費用
    • 被害箇所の規模や状況によって異なりますが、一般的に30,000円〜100,000円程度。
    • 業者によっては追加料金が発生することもあります(例えば、巣の撤去や修繕作業)。
  3. 忌避剤や超音波装置の費用
    • 市販の忌避剤は1,000円〜5,000円程度。
    • 超音波装置は5,000円〜20,000円程度で購入可能。
  4. 修繕費用
    • アナグマが掘った穴や建物の被害を修繕する費用が追加で発生する場合があります。
    • 修繕費用は数万円〜数十万円になることもあります。
  5. 自治体の助成金や支援
    • 一部の自治体では、アナグマの駆除に関する助成金制度を設けている場合があります。
    • 地域の役所や専門業者に相談してみてください。

アナグマの予防策

アナグマの被害を未然に防ぐための対策も重要です。

1. 庭や建物の点検と補修

  • 床下や物置の隙間を徹底的に埋める。
  • ドアや窓の隙間を塞ぎ、アナグマが入り込む可能性を排除する。

2. 食べ物を放置しない

  • 生ゴミや残飯を屋外に置かないようにする。
  • 餌台やコンポストを適切に管理し、匂いが外に漏れないようにする。

3. 環境を整える

  • 庭を清掃し、草むらや茂みを減らす。
  • 建物周辺の物を整理整頓し、巣作りに適した場所を減らす。

4. 捕食者を利用する

  • アナグマの天敵である犬を飼育し、庭に自由に動き回れる環境を作る。
  • 定期的に犬の匂いや糞を被害箇所に置くことで、アナグマの侵入を防ぐ。

駆除や予防の際の注意点


  1. 法律の遵守
    • 鳥獣保護法に基づき、許可が必要な場合があります。
    • 無許可での駆除は罰則の対象になる可能性があるため、必ず自治体に確認してください。
  2. 安全対策
    • アナグマに直接触れることは避け、咬傷や病気のリスクを回避する。
    • 防護手袋やマスクを着用し、安全を確保します。
  3. 専門業者の利用
    • 自分で対策が難しい場合は、害獣駆除の専門業者に相談することを検討してください。
    • 確実かつ安全に駆除や予防が行えるため、長期的な効果が期待できます。

まとめ

アナグマによる被害は放置すると深刻化する恐れがあります。本記事で紹介した駆除方法や予防策を参考に、早めに対策を講じることが大切です。また、法律を遵守しつつ、必要に応じて専門業者の力を借りることで、安全かつ効果的な駆除と予防が可能になります。

この記事の作成者
害獣駆除の専門家 ケーシーさん

害獣駆除センター
害獣駆除の専門家
元田 ケーシー


害獣駆除センターの害獣駆除の研究員です。害獣の生態や効果的な忌避方法を研究しています。記事で執筆している内容は、自社で試験調査した内容や、国内と海外の学術論文を基に情報提供しています。

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